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記帳代行はどこまで頼める?中小企業・個人事業主が知っておくべき範囲と注意点

作成者: vws_ad0523|Nov 24, 2025 1:30:40 AM

「経理業務の負担を減らしたい」

「本業にもっと集中したい」

 

このように考え、記帳代行サービスを検討している経営者の方は多いでしょう。しかし、いざ依頼しようとすると、「実際のところ、どこまで任せられるのか?」「経理代行や税理士とは何が違うのか?」といった疑問が浮かぶのではないでしょうか。

 

とりわけ、税務申告まで丸投げできるのか、それとも帳簿作成だけなのか、その境界線は気になるところ。もし税理士法に違反する業者に依頼してしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もあります。

 

この記事では、記帳代行の基本的な業務範囲を中心に、税理士でなければできない業務や依頼先を選ぶ際のチェックポイント、よくある落とし穴まで分かりやすく解説します。

 

この記事の目次
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記帳代行とは?どんな業務を代わりにしてくれるのか

記帳代行は、領収書や請求書をもとに、会計ソフトへの入力や試算表作成など帳簿作成を代行するサービスです。経営者が本業に集中できるよう支援する目的で、多くの事業者に利用されています。

 

まずは記帳代行の基本をおさらいしておきましょう。

記帳代行の基本的な役割

記帳代行とは、日々の取引を記録し、会計帳簿を作成する業務を代わりに行うサービスです。領収書や請求書、預金通帳のコピーなどの資料をもとに、会計ソフトへデータを入力していきます。

 

この入力作業により、仕訳帳や総勘定元帳、お金の動きをまとめた現金出納帳などが作成されます。

 

専門知識が必要で時間もかかるこれらの作業を、経営者や従業員に代わって行うのが記帳代行の役割です。面倒な入力作業から解放され、プロによる正確な帳簿が手に入ることが、このサービスの価値といえるでしょう。

経理代行との違いを理解しておこう

記帳代行と経理代行は混同されがちですが、その業務範囲(どこまで任せられるか)に違いがあります。記帳代行は、すでに行われた取引の記録・入力に関するサービスです。

 

一方、経理代行は、記帳業務に加えて、請求書の発行や振込といった経理の実務全般を幅広くカバーします。以下の表で、その違いを比較してみましょう。



比較項目

記帳代行

経理代行

主な役割

取引の記録・入力

経理業務全般の実務

業務範囲

限定的(帳簿作成が中心)

広範囲(実務全般)

業務例

・会計ソフトへの入力

・仕訳帳、総勘定元帳の作成

・試算表の作成 など

(記帳業務に加えて)


・請求書の発行

・振込、支払い代行

・給与計算

・売掛金の入金管理 など

イメージ

帳簿作成の特化サービス

経理部のアウトソーシング

コスト感

比較的安価

業務範囲に応じて高めになる

 

このように、記帳代行は帳簿作成に特化しているのに対し、経理代行は経理部の役割そのものを外部に委託するイメージです。自社が、入力作業だけを任せたいのか、それとも振込や請求といった実務まで任せたいのかを明確にし、目的に合ったサービスを選ぶことが求められるでしょう。

 

合わせて読みたい経理代行と記帳代行の違いとは?知っておきたいメリット・デメリット

中小企業・個人事業主に記帳代行が選ばれる理由

中小企業や個人事業主に記帳代行が選ばれる大きな理由は、リソース不足を低コストで解決できる点にあるでしょう。経理担当者を置く余裕がない、または経営者が本業と経理業務を兼務しているケースが多いためです。

 

経理担当者を一人雇用すれば、給与や社会保険料などで大きな固定費が発生します。記帳代行サービスなら、その数分の一の費用で業務を委託できます。また、専門家が作業するため、入力ミスや会計処理の漏れを防ぎ、正確な帳簿を維持できる点も魅力となります。

 

何より、面倒な記帳業務から解放されることで、経営者や従業員がコア業務に集中できます。これが事業の成長につながるため、多くの経営者に選ばれているのです。

記帳代行でどこまで頼める?

 

実際に記帳代行ではどこまでの業務を依頼できるのか。kろえを分かりやすく説明するとともに、税理士でなければ対応できない業務についても言及します。

一般的に任せられる業務範囲

​​記帳代行で依頼できる作業は、経理業務の中でも帳簿作成に関わる部分が中心です。一覧にまとめると、主に以下のようになります。

 

ただし、これらはあくまで基本的な内容であり、どの会計ソフトを使うか、資料の受け渡し方法は何か(郵送かクラウドか)など、具体的な運用は業者によって異なります。

 

業務項目

説明

証憑(しょうひょう)の整理

領収書、請求書、預金通帳のコピーといった資料を日付順や取引内容ごとに整理する

会計ソフトへの入力

整理した証憑に基づき、会計ルールに沿って会計ソフトへ仕訳データを正確に入力する

会計帳簿の作成

力データに基づき、総勘定元帳や仕訳帳など、法律で保存が義務付けられている帳簿を作成

試算表の作成

月次や四半期ごとなど、一定期間の経営成績や財政状態を示す試算表を作成し、納品する

 

こうした業務は、どの業者でも基本プランに含まれることが多く、経理担当者が日常的に行う作業を効率的に代行してくれます。

税理士でなければきない業務

記帳代行の範囲を考える上で、最も重要なのが「税理士法」による制限です。

 

記帳代行サービスは、あくまで帳簿を作成するまでが業務であり、税理士の資格がなければできない独占業務が法律で定められています。

 

その代表例が税務申告(決算申告書の作成・提出)です。法人の確定申告や個人の所得税申告書の作成・提出代行は、税理士でなければ行えません。

 

また、どうすれば節税できるかといった具体的な税務相談に応じることや、万が一の税務調査の際に経営者の代わりに立ち会って税務署と交渉することも、税理士の独占業務です。

 

こうした業務を税理士の資格がない記帳代行業者(または経理代行業者)が行うことは、法律違反となります。「記帳」はできても「申告」や「相談」はできない、という明確な境界線を理解しておく必要があります。

 

ただし、税理士事務所や税理士と提携している記帳代行業者の場合は、もちろん申告まで一貫して依頼が可能です。

 

違法な業者を選んでしまいトラブルになるのを避けるためにも、この税理士法との境界線については正しく理解しておきましょう。

 

合わせて読みたい記帳代行は税理士法違反?「知らない」では済まされない境界線を詳しく解説

記帳代行ドットコムで頼める範囲

記帳代行ドットコム」では、法人・個人事業主・フリーランスのお客様向けに、以下の記帳業務と関連サービスを幅広く提供しています。

 

サービス内容は、基本的な記帳業務からクラウド会計のサポート、さらには税理士と連携した業務までさまざまです。



サービス分類

具体的なサポート内容

基本的な記帳業務全般

・領収書、通帳コピー、売上・仕入請求書など、決算・申告に必要な書類のデータ入力と記帳

・試算表、損益推移表、売掛・買掛残高一覧表などの作成

クラウド会計ソフトサポート

・クラウド会計ソフトの導入支援、初期設定の無料サポート

・バリュープラン、プレミアムプランではクラウド会計ソフトのアカウント提供と利用料無料

税理士連携によるサポート

・決算書作成、確定申告(青色申告・消費税申告など)、税務署への書類提出代行

・節税アドバイスや税務調整の相談

・その他(税理士顧問契約、助成金申請、年末調整、給与計算など)のニーズに合わせた士業紹介

書類の提出方法と柔軟な対応

・郵送またはメールで書類を送るだけで依頼可能

・1年分の領収書などをまとめて依頼することも可能

・パソコンがなくても、郵送やスマートフォンだけで利用可能

 

記帳代行ドットコムは、単なる入力代行にとどまらず、経営者が「数字を安心して任せられる環境」を実現。クラウド対応・全国対応・スピード納品など、忙しい事業者にも使いやすい体制が整っています。

 

「記帳代行をどこまで任せるか」の前に押さえておきたいチェックポイント

記帳代行を導入する際は、単にどこまで任せられるかだけでなく、依頼する側の体制や目的を整理しておくことも必要になります。サービスを選ぶ前に確認しておきたい視点を紹介します。

自社の記帳量と経理体制を把握

記帳代行業者を選ぶ前に、まず自社の現状を正確に把握します。これが曖昧なままでは、業者側も正確な見積もりを出せません。最初に確認すべきは記帳量、つまり月平均でどれくらいの取引があるかです。具体的には、領収書や請求書が月に何枚くらいあるか、預金通帳の入出金は月に何行くらいあるかを数えてみましょう。

 

次に、現在の経理体制を整理します。今は誰が経理業務を担当しているでしょうか。社長自身なのか、配偶者なのか、あるいはパート従業員なのか。また、すでに会計ソフトを導入している場合は、そのソフト名(弥生会計、freee、MFクラウドなど)も控えておきます。

 

こうした自社の状況を明確にすることで、自社に本当に必要なサービス範囲が見えてきます。

料金体系を比較してコスパを確認

記帳代行の料金は、主に記帳量(仕訳数)によって決まります。多くの業者が、月の仕訳件数に応じて段階的な料金プランを用意しており、「1仕訳〇〇円」や「月100仕訳まで〇〇円」といった形が主流です。まずは自社の平均仕訳数をもとに、基本料金がいくらになるかを確認しましょう。

 

ただし、基本料金に含まれる業務範囲は業者によって異なります。単なるデータ入力だけなのか、領収書の整理(証憑ファイリング)や、部門ごとの業績集計まで含まれるのか。基本料金が安く見えても、必要な業務がオプション扱いで、結果的に総額が高くなるケースは少なくありません。

 

そのため、業者を比較する際は、必ず自社が依頼したい業務範囲を考慮した上で見積もりを取りましょう。そして、月額料金だけでなく、決算申告料なども含めた「年間のトータルコスト」で費用対効果を判断するようにしてください。

 

料金相場やサービスの選び方については、こちらも合わせてお読みください。

 

合わせて読みたい記帳代行の相場はいくら?料金体系や選び方を依頼前に押さえよう

 

記帳代行を利用する際の注意点とよくある落とし穴

記帳代行の利用には注意点もあります。最も注意すべきは、税理士資格を持たない違法業者を選んでしまうことです。また、自社の資料提出の遅れが原因で起こる納期トラブルや、丸投げした結果、自社にデータが残らないといった管理体制の問題にも目を向ける必要があります。

違法業者を見分けるポイント

記帳代行を依頼する上で、最も気をつけたいのが違法業者です。すでに説明している通り、税理士資格を持たない業者が税務申告や節税相談を行うことは法律で禁じられています。 

 

万が一、違法な申告に加担すると、依頼した経営者側もペナルティを受けるリスクがないとは言えないため、見極めが重要です。 

 

記帳代行サービスの依頼先には税理士事務所や会計事務所のほか、記帳代行ドットコムのような記帳代行を専門とする業者、フリーランスなどがありますが、専門業者やフリーランスに依頼する際は、税理士と正式な定期関係があるかということを確認する必要があります。 

資料提出の遅れによる納期トラブル

記帳代行サービスは、利用者から領収書や通帳コピーなどの資料を預かって初めて作業がスタートします。ここでよくある落とし穴が、依頼者側の資料提出の遅れによって発生する納期トラブルです。

 

記帳代行業者には、通常、資料の提出期限が設定されています。「いつでも良いだろう」と資料の提出を後回しにしていると、当然ながら帳簿の作成も遅れていきます。

 

その結果、月次の試算表の納品が大幅に遅れ、自社の経営状況をリアルタイムに把握できなくなってしまいます。さらに深刻なのは、決算申告の期限間際になって慌てて資料を提出するケースです。

 

これでは業者側も正確な作業ができず、最悪の場合、申告期限に間に合わないという重大なトラブルに発展しかねません。記帳代行は丸投げできるサービスですが、最低限のルール(資料の提出期限)を守ることが大前提です。

税務調査や申告に備えたデータ管理

記帳代行に頼りすぎた結果、自社の経理状況がブラックボックス化するリスクがあります。例えば、会計ソフトのデータが業者側でしか管理されず、自社にはPDFの試算表しか残らないケースです。これでは、税務調査などで過去の取引詳細をすぐに確認できません。

 

記帳代行は入力作業の代行であり、作成された帳簿やデータの最終的な管理責任は経営者にあります。会計ソフトのデータ(バックアップなど)をどのような形式・頻度で共有してもらえるのか、契約時に必ず確認しましょう。

 

申告書や総勘定元帳の控えなど、法律で保存が義務付けられている書類は、必ず自社で管理・保存する意識が求められます。

まとめ:自社に合った「どこまで」を見極めて記帳代行を活用しよう

記帳代行サービスを賢く活用すれば、面倒な入力作業から解放され、経営者や従業員がコア業務に集中できるという大きなメリットがあります 。ただし、税理士資格のない業者は税務申告ができない  など、法律上の注意点も存在します。

 

自社のニーズを把握し、どこまで任せるかを明確にすることが成功の鍵です。

 

記帳代行ドットコムは、低コストな記帳代行はもちろん、提携税理士による申告業務サポートまでワンストップで対応可能です 。記帳業務の負担を減らし、事業成長を加速させたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。