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タスクシフトとは?医療現場におけるメリット・デメリット

作成者: vws_ad0523|Apr 16, 2023 11:30:08 PM


タスクシフトとは、医師の業務をほかの職種へ移したり、共同化したりする取り組みをいいます。
この記事では、タスクシフトの概要・関係する職種・メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
導入に際してお悩みの方は、ぜひご覧ください。

タスクシフトとは、医師が担う業務の一部を、ほかの職種へ移管または共同化することをいいます。
これは、医師が長時間勤務する状況の改善や、医療の質を向上させることなどを目的とした取り組みです。

2024年4月以降は医師の勤務時間について上限が設けられることとなり、タスクシフトが注目を集めています。
しかしどのようなことをすればよいのかわからず、お悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、タスクシフトの概要・関係する職種・メリット・デメリットなどについて、わかりやすく解説します。
業務の移管・共同化にともなうポイントや、役立つツールなどもご紹介するため、ぜひ最後までご覧ください。

この記事の目次
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タスクシフトとは?


タスクシフト(タスク・シフティング、タスク・シェアリング)とは、対象の医療従事者が納得したうえで、医師の業務をほかの職種へ移したり共同化したりする取り組みをいいます。

移管や共同化の対象となる主な職種は、看護師・助産師・薬剤師・診療放射線技師・臨床検査技師・臨床工学技士・医師事務作業補助者などです。
基本的には医師から他職種へのシフトとなるものの、看護師からさらに他職種へのタスクシフトする動きもあります。
なかには「なぜわざわざタスクシフトが必要なのか」と疑問にお思いの方もいらっしゃるでしょう。
タスクシフトは厚生労働省が推進する取り組みで、背景には、主に以下の課題があります。
<厚生労働省がタスクシフトを推進する背景>
  1. 医師の長時間勤務の是正が必要
  2. 医療の質の向上
  3. 効率的な医療提供の実現

2024年4月以降は、医師の勤務時間に上限が設けられます。
違反すれば罰則を受ける可能性があるため、医療機関ではそれまでにタスクシフトに対応する必要があるのです。

タスクシフトの例


タスクシフトに対応すると、どのようなことができるのでしょうか。

たとえば、タスクシフト先となる職種ごとに例を挙げると、以下のようになります。
<タスクシフト例>
  1. 看護師……緊急外来で、医師が事前に指定した範囲内の患者を対象に、指示に基づく採血・検査を実施できる
  2. 助産師……出産におけるリスクが低いと判断された妊婦に対する、健診・分娩管理・保健指導を実施できる
  3. 薬剤師……事前に取り決めたプロトコールに沿った、処方された薬剤(投与量・投与期間)の変更ができる
  4. 診療放射線技師……医師の事前指示に基づく、撮影部位確認・追加撮影のオーダー出しができる
  5. 臨床検査技師……病棟・外来における採血業務ができる
  6. 臨床工学技士……手術室・内視鏡室・心臓血管カテーテル室といった、清潔野での器械出しができる
  7. 医師事務作業補助者……診療録の代行入力ができる
ただし、医師からほかの職種へ業務を移すと、そのぶん移管先の職種の業務が増えます。
対象となる上記の職種は、慢性的な人手不足のなか、より効率的な業務の遂行が求められるでしょう。
医療機関としては、現場が破綻・崩壊しないよう、時間をかけて環境を整備する必要があります。
またなかには、すでにタスクシフトに関する取り組みをはじめている医療機関も。
対象となるスタッフを説得する時間・体制を実際に整える時間を考慮し、早めに行動することが重要です。
<タスクシフトの実例>
  1. 済生会熊本病院……看護師から他職種へのタスクシフトに際して、業務量を可視化することで説得・合意に成功
  2. 三重大学医学部附属病院……プロトコールの作成・段階的な導入により、不安や業務量に配慮しながらタスクシフトを成功させる

タスクシフトのメリット


タスクシフトについて「対応がたいへんで、取り組むのが難しそう」といった印象を抱いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし取り組みに成功すれば、業務効率が改善されることにより、以下のメリットを得られます。
<タスクシフトに対応するメリット>
  1. 人手不足の解消に役立つ
  2. 長時間勤務が是正される
  3. 医療の質が上がる

スタッフ一人ひとりがより多くの業務を担当できるようになれば、人手不足問題の解消や、業務効率の向上が期待できます。

また効率が上がったり業務を分散化したりすることで、長時間勤務が改善され、医師が常に疲弊している状態から抜け出せます。
それとともにチームとしての医療体制が実現し、効率的かつ質のよい医療が提供できるようになるでしょう。
ますます高齢化が進み医療人材の不足が問題視されている昨今では、タスクシフトは、課題解決のために注目すべき取り組み・避けていてもいずれ直面することになる取り組みといえます。

タスクシフトの課題・デメリット


タスクシフトの課題・デメリットとして、業務の移管先となる職種もまた、人手不足が深刻なことが挙げられます。

医療従事者はいずれも激務にある傾向にあり、タスクシフト導入にともなう研修時間を確保するのも難しいのが実情です。
「人手不足を解消できるから」と無理にタスクシフトを導入しようとすると、労働環境が悪化して離職者が出る可能性も。
とはいえ、2024年4月までにはタスクシフトへの対応を済ませる必要もあり、タイミングを見計らって取り組む必要があります。
また「タスクシフトに対応したのちも一定の医療品質が保てるか」「危機意識を持って自分ごととして取り組んでもらえるか」といった点も課題となるでしょう。
医師からほか職種への指導・育成方法にばらつきがあり、一定の医療品質が保てなくなる事態は回避しなければなりません。
くわえて、タスクシフトに必要性を感じてもらえなかったり必要性がわかっていても意欲的になれなかったりして、うまくタスクシフトが進まないケースも考えられます。
タスクシフトは、各スタッフが納得・合意することが前提となるため、丁寧な説明が欠かせません。
勤務の実情を把握したうえで説得したり、ツールを導入することによる効率化アップも検討したり、現場が納得しやすい施策を打ち出す工夫が必要です。

タスクシフトに役立つ2つのツール


先ほど、現場が納得しやすい施策を打ち出すことが必要だとご紹介しました。

その際には、細かな勤務記録を蓄積・確認できる勤怠管理システムや、資料の閲覧・情報伝達などに役立つコミュニケーションツールなどを活用するのがおすすめです。
たとえば、勤怠管理システムで収集したデータがあれば「この職種にこれだけの負担がかかっているため、負担を軽減するためにこの 業務も担ってほしい」といった説得がしやすくなるでしょう。
また業務の効率化を狙うなら、チャット機能・ファイル共有機能・Web会議機能などが備わっているような、利便性の高いツールを導入するのもおすすめです。
各スタッフが納得できるデータ・負担を軽減する体制を整えることで、タスクシフトの導入がスムーズになるでしょう。
もし導入するツールをお探しなら、勤怠管理システム 「VWS勤怠」や多機能チャットツール 「JANDI」をチェックしてみましょう。
いずれも低価格で導入でき、無料トライアルや資料請求も可能なため、ぜひVWS勤怠・JANDIから詳細をご確認ください。

まとめ


タスクシフトとは、医師からほかの職種へ、業務を移したり共同化したりする取り組みをいいます。

医師の長時間勤務を改善すること・医療品質の向上や効率的な医療の実現を目的に、厚生労働省が推進しています。
2024年4月には医師の勤務時間に上限が導入されるため、それまでにタスクシフトへの対応を進めておかなければなりません。
ぜひタスクシフトについて検討し、負担を軽減しながら、効率的・高品質な医療チームの実現を目指しましょう。