かつては社員が退職をする場合の根本的な原因は、社員のモチベーションやスキルが原因であると考えられていましたが、
近年では企業側の考え方・体制・施策が重要であるとの考え方が主流化しています。
そして、人事における社員定着の重要な考え方の一つが、リテンションです。
この記事では、リテンションの概要・必要とされる背景・具体的な取り組み方について解説します。
さまざまな方法を試しているもののなかなか社員引き留めの対策ができていない、という企業の担当者様はぜひ参考にしてください。
リテンションという単語のそもそもの意味は「維持・保持」です。
リテンションは近年、ビジネス(特に人事・マーケティング)においてよく使用されるようになりました。
人事におけるリテンションとは、社員の離職や退職を引き留めるための施策全般を指します。
(マーケティングにおいてリテンションという場合は、既存顧客との関係性を維持する意味で用いられます)
従業員の引き留めは、以前から人事においては重要なテーマです。
近年では、人事における重要性が従来以上に高まっており、リテンションをないがしろにすると、会社の存続にまで影響するとの意見もあります。
企業側がさまざまな施策によりリテンションに取り組むことをリテンションマネジメントといいます。
「ヒト・モノ・カネ」が経営の3原則といわれ続けていることからもわかるとおり、人材の重要性はかつてから強く主張されています。
にもかかわらず、近年リテンションの重要性が叫ばれているのはなぜでしょうか?
この章では、リテンションが必要とされている理由を解説します。
少子高齢化により、人材不足の問題はかつてよりも深刻化しています。
また、経済のグローバル化が進み、海外の企業との厳しい競争が避けられない状況のなかで、従業員一人ひとりが高いパフォーマンスを発揮しなくてはなりません。
こうした「慢性的な人手不足」「高度なスキルをもつ人材の欠乏」などの事情から、自社の既存の社員を引き留められるか否かが非常に大きな問題となっています。
社員が退職してしまった場合、その補充として新たに人材を採用するのが難しく、できたとしても同じレベルの社員を雇用できるとは限りません。
採用の難化と比例して、人材採用にかかる費用も高騰しています。
例えば、新卒採用をおこなう際の費用相場は、採用媒体の広告費として50~200万円の費用がかかります。
さらに、採用のためのパンフレットやウェブページ製作費・説明会会場費・人件費など、間接的にかかる費用項目も少なくありません。
中途採用に関しても、費用の内訳は新卒よりも低価格である傾向はあるものの、採用費は高騰しています。
従って、社員の退職と補充のための採用を繰り返していると、コストがかなり余分にかかってしまうことになります。
業務の質の面でも、デメリットがあります。
社員の入れ替わりが激しい会社は、内部にノウハウやスキルが蓄積されにくいという点です。
最悪のケースでは、退職をした社員がライバル企業に入社する危険性もあります。
社員と企業がともに成長できる体制を整えることが大切です。
社員の流出を防止するための取り組みは、大半の企業が多かれ少なかれ、これまで取り組んでこられたことでしょう。
最初に押さえておきたいポイントは、評価制度です。 評価制度の目的は、社員に対して正当な評価を与えてモチベーションを管理することです。
ワーク・ライフ・バランスは、従業員のモチベーションに大きく影響します。
社員のモチベーションを最大限に高めるためにも、チームの力を最大化するためにも社員の希望を反映した部署に配置することが重要です。
長期的な展望をふまえて、能力開発やキャリアパスの提示をおこなうことも大切です。
リテンションマネジメントをおこなううえでの注意点を3点解説します。
リテンションマネジメントを実施する際には、継続的に目標を管理することも大切です。
リテンションマネジメントのためには、上司と部下の間あるいは社員間でコミュニケーションが活発におこなわれていることも重要です。
リテンションマネジメントをおこなう際には、全体最適を意識することが大切です。
人事におけるリテンションとは、既存の社員の離職や退職を引き留める施策のことです。