アサーションとは、相手を尊重しつつ自身の意見も主張する、コミュニケーション方法の1つです。
パワーハラスメントへの意識の高まりやリモートワークの普及により、注目を集めています。この記事では、導入メリットやスキルの獲得方法もご紹介します。
「パワーハラスメント対策で、アサーショントレーニング導入の話が出たけど、どのようなものかわからない」 そうお悩みの企業ご担当者さまもいらっしゃるのではないでしょうか。
アサーションとは、相手を尊重しつつ、自身の意見も主張するコミュニケーション方法のひとつです。
アサーションスキルを獲得すれば、感情的にならず、健全な話し合いができる環境作りができるでしょう。
この記事では、「アサーションとはなにか」「導入するメリット」「獲得方法」などをご紹介します。
よりよい雰囲気の職場にするためにも、ぜひ最後までご覧になってください。
この記事の目次
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アサーションとは
アサーションとは、相手を尊重しつつ、自身の意見も主張するコミュニケーション方法のことです。
「人は、誰でも自分の意思・要求を表明する権利がある」との立場に基づいており、アサーションスキルがあれば、自他ともに尊重して交流できるようになります。
そのため、良好な人間関係を築きたいビジネスシーンに適したコミュニケーション方法といえるでしょう。
近年アサーションが注目されている背景には、「パワーハラスメント対策」「リモートワークの増加」などが挙げられます。
アサーションスキルを獲得し、年代や立場を超えて、相手を尊重して関われるようになれれば、パワーハラスメントを抑制してより円滑・健全な交流ができるようになるでしょう。
また、リモートワークが普及したことで、直接顔を合わせる機会が減り、コミュニケーションの難易度が高まったと感じる方も多いです。
それで、相手の表情や感情が読み取りにくいなかでも適切にことばを伝えるアサーションスキルが、注目を集めています。
アサーションの効果・導入メリット
アサーションを導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。 主なものを3つ、ご紹介します。
2-1. チームの意思伝達がスムーズになる
アサーションを身につけることで、上司と部下・クライアントと顧客・親会社と子会社など、立場の異なる人との意見交換も円滑に進められるようになります。
腰を低くしたり遠慮したりするのではなく、互いを尊重し、対等な立場で議論が可能になるでしょう。
また、ビジネスにおいては、どうしても受け入れられない条件・誘いなどがあり、断りたい場面も出てくるはずです。
そのような際に、相手を尊重しつつ申し出を断る言い回しができれば、今後もよい関係を築いていけるでしょう。
2-2. 人間関係がよくなりストレスを減らせる
コミュニケーションがうまく取れないと、誰しもストレスがたまるものです。
言いたいことを我慢して仕事していると、不満も溜まりやすく、退職者が増える可能性もあります。
アサーションスキルを活用し、公平に意見交換ができるようになれば、さまざまな企業課題を解決できる可能性があります。
またなかには、発言の際に、気持ちが先走ってことばが強くなる方もいるはずです。
その際に、相手が不快感・不安感・恐怖感を抱けば、パワーハラスメントとしてトラブルになる場合もあります。
強いことばを使ってしまいがちな方がアサーションスキルを身につければ、トラブルを避けられるようになるはずです。
2-3. 適切な人事評価ができる
アサーションの取り組みが従業員に浸透すれば、率直な発言ができる環境や、強い信頼関係を築けます。
それにより、従業員の本来の人柄・考えを知れるようになるでしょう。
本来の考え方や人柄を理解できれば、「なぜこの行動をしたのか」が推察できるだけでなく、その人が苦手とすることにもチャレンジできているかどうかを判断できるようになります。
人事担当者・部署のリーダー・従業員それぞれにとって、身につけておくべきスキルといえるでしょう。
アサーションスキルを獲得する2つのステップ
アサーションスキルを身につけるには、トレーニングが必要です。 アサーションスキル獲得のために必要なことを、2段階に分けてご紹介します。
3-1. 【ステップ1】自身のコミュニケーションスタイルを知る
コミュニケーションのスタイルには、意見の主張を強く行う「アグレッシブタイプ」、自己主張が苦手な「ノンアサーティブタイプ」、相手へ配慮しつつ意見もいえる「アサーティブタイプ」の3種類があります。
はじめに「自分がどのタイプなのか」を明確に知ることが、アサーションスキル獲得の大切な第一歩です。
たとえば、アグレッシブタイプは「主張できるものの、語気が強く相手を萎縮させてしまう」、ノンアサーティブタイプは「その場では相手を尊重し場を収められるが不満を抱えてしまう」などの傾向があります。
自身のタイプを知ることで、コミュニケーションでの課題が見つけられるでしょう。
3-2. 【ステップ2】アサーショントレーニングに取り組む
アサーションスキルを身につけけるトレーニング方法に、「DESC法」「I(アイ)メッセージ」があります。
DESC法とは、アサーションに必要なスキルを体系的にまとめたもので、以下の頭文字を取っています。
Describe…客観的に事実を伝える
Express…自身の意見や感情をことばにして表現する
Specify…相手に求めていることをことばで伝える
Consequences…提案事項の結果を伝える
この4項目を意識してコミュニケーションを取ることで、感情的にならず、よい関係が築けるようになるでしょう。
一方「Iメッセージ」は、なにか意見を伝えるとき、主語である「わたし」を含めて前向きなことばに言い換える方法をいいます。
たとえば「あなたの仕事にミスが多くて困る」と伝える際は、「私は、あなたが丁寧に見直しをして仕上げてくれたらとても助かると思っている」などに言い換えることで、前向きなコミュニケーションが可能になるでしょう。
アサーションを獲得するのに役立つツール
アサーションスキルは、身につけけたいと思っても、すぐに獲得できるものではありません。
そのため、まずはチャットツールを使ってみるのがおすすめです。
チャットツールは、口に出すことばと違い、いったん読み返せます。
「感情的になっていないか」「DESC法やIメッセージが使えているか」などをチェックしてから送信する、従業員とのコミュニケーションの場として活用するなど、アサーションスキルを身につけるためにはぴったりのツールです。
なかでも「JANDI」は、スケジュール管理やファイルの共有なども簡単にできる、便利なビジネス用チャットツールです。
スタンプを使ってフランクなやりとりもできるため、ぜひアサーショントレーニングで活用してください。
また、信頼関係が築ければ、従業員とのコミュニケーションのなかで、勤務体制に関する意見が出ることもあるでしょう。
その意見にきちんと対応できるよう、システムを整えておきたい場合は「VWS勤怠」もおすすめです。
細かなシフト設定・スケジュール管理・簡単な打刻方法などの機能で、柔軟な働き方をサポートできます。
まとめ
「アサーション」とは、相手を尊重しつつ、自身の意見も主張するコミュニケーション方法のことです。
このスキルを獲得できれば、自他ともに尊重してコミュニケーションを取れるようになり、よい関係性を築けます。
ぜひ日ごろからDESC法やIメッセージを意識してトレーニングし、アサーションスキルを獲得してください。