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BCP策定の手順と必要な準備とは

作成者: vws_ad0523|Jun 29, 2020 12:00:51 AM


「BCP」という言葉をご存じでしょうか?

BCPとは、「Business Continuity Plan」の略で、
日本語では「事業継続計画」と呼ばれています。

企業に起こりうるリスクを想定して、
業務を必要なレベルで遂行するための対策をあらかじめ定めておくことにより、
災害による影響を最小限に抑えることが可能です。

2011年の東日本大震災をきっかけとして、
企業にリスクが生じた際に根幹業務をいかに継続するかが重要視されるようになりました。

不定期にやってくる大型台風による自然災害だけでなく、
今回の新型コロナウィルス感染症のような、
思いもよらないようなきっかけからも急に業務がストップするリスクがあることを改めて実感した企業も多いでしょう。

また、BCP策定を設定しておくことで、守りを固められるだけではなく、
攻めにつながるメリットを得ることも可能になります。

この記事では、BCP策定の概要について記載したのちに、メリットについて改めて記載します。

新型コロナウイルスの影響を受けて業務が大きく制限されてしまった企業や、
将来の大地震や経済リスクに関して漠然と不安を感じている企業の方は必見の内容です。

この記事の目次
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BCP策定とは?


東日本大震災以降、BCP対策の重要性が報道やビジネスニュースなどを中心に指摘されるようになりましたが、
依然としてBCP対策の重要性を理解している企業はあまり多くありません。

冒頭でも触れましたが、BCP対策とは、自然災害やテロ・疫病の流行など企業が直面する全てのリスクを想定し、
どのようなリスクに直面としたとしても基幹業務を継続できるようにあらかじめ対策を立てておくことです。

例えば、新型コロナウイルス禍による不要不急の外出により、
現在多くの企業はテレワークやオンラインツールを使った非対面型の営業をせざるを得ない状況に追い込まれました。

今回のようなケースでも、BCP対策を策定していた企業は、
スムーズにテレワークへの切り替えが行われましたが、BCPが未策定であった、
もしくはBCPを機能する体制作りができていなかった企業は、
緊急事態に直面した後に急いで体制を作らなければならなくなり、
BCP策定ができていた企業に比べて大きな損失をかかえたと言えます。

そして、それがすでに明らかな成果として表れている企業もあります。

※例えば、対面型の新卒採用の実施が困難な状況下において、
オンラインでの会社説明会を実施した企業は、例年の2~3倍程度の学生が会社説明会に集まっています。

BCP対策が語られる際には、大きな地震や今回の新型コロナウイルスの例が取り上げられることが多いため、
BCP対策は自然災害や大型の疫病対策としてとらえられることが多いのですが、企業は様々なリスクに直面する可能性があります。

(BCP策定で想定する具体的なケース)

・自然災害(大地震・大型台風・異常気象・火山の噴火など)
・人的災害(火災・機械や設備の誤操作など)
・テロ
・疫病の流行
・大事故
・情報漏えい(外部からのサイバー攻撃・内部のスタッフのミスや不注意など)
・取引先などの大きなトラブル(コンプライアンス違反など)
・SNSの炎上

このように幅広いリスクに対して、とるべき対策も一つひとつ異なります。
重要なことは、リスクを予想することと、実効性のある対策を考えることです。

BCP策定の4つのメリット


BCP策定は「リスクケア」の側面を持っていることから、どちらかといえば「守り」の対策ととらえられがちです。

しかし、BCP策定を実施することにより、単に被害を最小限に抑えるだけではなく、
企業の成長につながるようなメリットが結果的に得られることもあります。

もちろん、企業の存続を脅かすようなリスクが起こらないことに越したことはありませんが、
BCP策定にはメリットがあるという側面を知っておくことは非常に重要です。

この章では、4つのメリットについて解説します。

2-1.  メリット①緊急事態からの早期復帰を目指すことができる

そもそもBCPとは根幹業務・サービスの提供を中断させない(あるいは中断してしまっても可能な限り早く再開する)ことを目的としており、
BCP策定が機能すれば、非常事態が生じても根幹業務をスムーズに再開できます。

例えば熊本地震のケースでは、BCP策定率の高い大手企業の方が中小企業よりも、
地震の影響で営業を停止しない企業や早期に復旧できた企業の割合が多かったという結果が見られました。

もちろん、大手企業と中小企業とはBCP策定率以外にも様々な条件の違いがありますが、
いかなるときでも企業活動を円滑に行えるようにするためBCP策定が重要であることは事実です。

2-2. メリット②業務の重要性や優先順位を棚卸できる

BCP策定は、全ての業務に対して行うわけではありません。

もちろん、リスクが生じた際に、
生じる前とまったく同じように業務を遂行することができればそれに越したことはありませんが、
そのためには手間や費用が底なしにかかってしまいます。

従って、自社にとって最も核となる事業のみを選択してBCP策定を行っていくことになります。

このとき、どのような基準で事業を選択するかというと、以下の3つのポイントがあります。

・利益率が高い事業
・売り上げが大きい事業
・現金化までの期間が短い事業

これらの基準を満たす事業を洗い出してBCP策定を行うことで、
自社への経済的な打撃を最小限に抑えることができます。

そして、この作業を通じて、改めて自社にとってどの事業が重要性・優先順位が高いのかということを改めて棚卸することができます。

さらに、業務改革や効率化を図る際には、
これらの中核事業を中心に取り組むことで、効率的な業務改革を行えるようになります。

2-3. メリット③取引先や顧客からの安心感・信頼感につながる

基幹業務を早期に復旧させることは、取引先や顧客からの安心感・信頼感にもつながります。

災害や大規模な被害から早期復旧を実現し、
通常通りのサービスの提供を実現することで、リスクが生じる前よりも売上がアップしている例も多数あります。

2-4. メリット④従業員の生命・身体の安全に配慮できる

BCP策定により、自然災害やテロが生じた際に、
従業員の生命や身体の安全性に配慮することができます。

・社内に食料や生活品の備蓄をしておくことで、従業員が社内に閉じ込められた場合であっても当面しのげるようにする
・緊急時の連絡網を設定しておくことで、安否確認をスムーズに行う
・継続して事業を続けられる体制を整えることにより、従業員の生活を経済的に守ることができる

こうした対策を徹底することにより、従業員から安心感を得ることができます。

BCP策定の手順



内閣府作成「事業継続マネジメントのプロセス」より抜粋

では、BCP策定はどのような手順で行っていくのでしょうか?

この章では、基本的なBCP策定から運用までの手順について解説します。

3-1. 手順①リスクの洗い出しと分析

BCP策定を実施することが決まったら、自社を取り巻く環境を改めて理解し、
どのようなリスクが生じうるのかについて洗い出します。

上で説明した通りですが、全てのリスクに備えることはできないため、
自社にとっての重要な業務や自社が担っている社会的責任を考え、優先順位の高い業務から対策を考えていきます。

基本方針が決まったら、BCP策定チームを結成し、リスクの分析に当たります。

「リスクが生じた際にどの程度の被害が生じるのか?」
「自社の業務はどの程度滞ってしまうのか?」
「売上や資金繰りへの影響はどの程度見られるのか?

などの分析を行います。

洗い出しをしたリスクについて、それぞれの事象ごとに発生する確率や発生した場合の自社への影響をまとめ、
リスクマッピング(リスクを定量的に評価した表)にまとめておくと業務の優先順位のチェックがしやすくなります。

3-2. 手順②目標復旧時間と目標復旧レベルの確認

続いて、目標復旧時間と目標復旧レベルの確認を行います。

もちろん、リスクが生じる前のレベルで業務を遂行できることが理想ですが、
目標復旧レベルを高く設定してしまうと復旧までに時間がかかってしまいます。

顧客や市場から許容される時間内に、
許容されるレベル以上の商品を提供できる状態にすることが一つの目安です。

3-3. 手順③具体的にBCPを策定

優先順位の高いものからBCP対策を策定します。

ポイントは、以下の二点です。

①想定されるリスクに対して、いかに防御・軽減・復旧するか?
②拠点や設備などが利用できなくなったときに、どのような代替手段が利用できるか?

企業を取り巻くリスクは無数にありますが、共通して利用できる対策も少なくありません。

例えば「業務が遂行できないために在宅勤務を活用する」といった対策は、
震災や火災などの災害にもテロなどの不安定な政治情勢にも有効です。

(具体的なBCP例)

1.データの二重化・・・製造拠点の分散、複数個所でのデータ管理、
クラウドサービスの利用など、本社が機能不全に陥った際を想定して、データが引継ぎできるようにしておきます。

2.電子媒体と紙媒体とのデータの併用・・・電子媒体にも紙媒体にもメリット・デメリットがあるので、
両方を併用する仕組みが大切です。

電子媒体のメリット:データ保存や書き換え・共有が容易。本社が倒壊しても、
クラウド上や別の支社にデータを保存しておけば、データが消失してしまうことはない
電子媒体のデメリット:PCやスマートフォンなどの電子媒体が不可欠(データ単独では可読性がない)、サイバー攻撃のリスク
紙媒体のメリット:単独で可読性がある

3.代替施設やアウトソーシングの準備
本社が大きなダメージを受けて機能不全に陥ったときに、
支社や店舗で事業が継続できるように、体制と人員を配備します。

自社での対応がどうしても困難な状況を想定して、外部の企業や専門家に一部業務を委託する方法も考えられます。

4.在宅勤務
会社への出社が困難なケースでは、在宅勤務やテレワークを活用する方法もあります。

BCPを策定したら、文書化して全社員に周知します。

※BCPに利用できるツール
「JANDI」はクラウド型のビジネスチャットツールです。

メールでのコミュニケーションを82%削減し、
業務生産性を56%高めてくれるという実績のあるコミュニケーションツールですが、
以下の機能や働きによりBCPにも高い効果を発揮します。

・チャットでのコミュニケーションにより、
気軽で即時性のあるコミュニケーションが可能(→在宅勤務やテレワークのスムーズな導入を後押し)
・資料などのデータ共有が可能
・Googleカレンダーと同期してスケジュール管理が可能
・完全無料で運用可能/プレミアムプランもスタッフ1人あたり月額440円(税込み)!

このような便利ツールを利用することでBCPの精度がより高いものになります。

3-4. 手順④定期的にBCPの見直しをする

BCPは、2年に1度程度の見直しを行いましょう。

というのも、企業を取り巻くリスク環境は、日々変化しています。

例えば、昨今のサイバー攻撃は日進月歩で進化しており、攻撃手段が非常に多様化しています。

また、新型コロナウイルスの例を見ても、これまで想定していなかったような新たな災害が生じてしまうことの可能性は否定できません。

さらには、対策の面でも数年前には見られなかったクラウドを利用したツールの登場や、
災害時でも安定した無線インターネット通信を実現する5Gの登場など、対策を行う上で外せない新たなサービスが登場しています。

まとめ

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将来にわたって企業が安全に発展していくためには、リスクへの備えと対策が不可欠です。

BCP策定によりあらゆるリスクへの対策を検討することは、守りを固めるだけではなく、
顧客からの信頼を得るという点では「攻め」の対策にもなります。

BCP策定は、以下の手順で行います。

①リスクの洗い出しと分析
②目標復旧時期とレベルのチェック
③BCP策定の実施
④BCPの見直し

ただし、対策を作っただけでは意味がありません。

BCPを機能させるための体制作りを社員に浸透させることが重要です。

最悪の事態を想定した訓練を行うことで、いざという時も冷静に対処することができます。
そしてそれは、企業価値の向上にもつながります。

また、BCP策定にあたり、さまざまなツールを活用すると効果的です。

例えば「JANDI」のようなビジネスチャットツールを利用すると、
災害時でもチャットで円滑にコミュニケーションが取れることや資料共有ができること、
デジタル化した資料を共有できることなどの機能からBCP対策に役立てることができます。

「ビジネス向けSNSの決定版 JANDI」