確定申告、商工会で丸投げは無理?税理士・記帳代行サービスとの違いも解説
確定申告の時期が近づくと、記帳の手間や申告書類の作成、税務の知識への不安など、多くの個人事業主が頭を悩ませます。特に開業して間もない方にとっては、何をどこに相談すればよいのか分かりづらいのが実情です。
そんな中、「商工会でも確定申告の相談ができるらしい」と耳にしても、具体的にどこまで頼れるのか分からず、税理士や記帳代行サービスとの違いに戸惑う方も少なくありません。
本記事では、商工会が提供している確定申告支援の内容を中心に、他のサービスとの違いや選び方の視点を分かりやすく整理しています。自分に合ったサポートを見つけるための参考として、ぜひ活用してください。
そもそも商工会とは
商工会は、地域の小規模事業者や個人事業主を支援するために設立された団体です。地域ごとに拠点を構え、事業運営に関するさまざまなサポートを行っています。運営には国や自治体からの補助金も使われており、営利目的ではなく中小企業の健全な成長を後押しすることが目的です。
主な対象は、個人事業主や小規模事業者が中心です。創業間もない事業者や、税務や経理に不慣れな方にとって商工会は身近な相談窓口として機能しています。地域の経済や産業構造に即したアドバイスも得られます。
確定申告や記帳、資金繰りに関する相談などをはじめ、事業者の課題に対して広範な支援を提供しているのが商工会です。手数料が抑えられているケースも多く、税理士に依頼するのが難しい層にとって心強い存在といえます。
商工会で受けられる主なサポート内容
商工会では、事業運営に役立つさまざまなサポートが受けられます。日々の経営課題から資金調達、税務相談まで、事業運営に関わるあらゆる場面で事業者を支えます。
経営相談
商工会では、「どうやって売上を伸ばせばいいのか」「事業計画はどう立てるべきか」など、経営に関する幅広い相談を受け付けています。
相談を担当するのは、国から認定を受けた中小企業支援の専門家「経営指導員」です。地域の経済状況や補助金制度にも詳しく、実践的なアドバイスが受けられるのが強みです。第三者の立場から客観的に事業を見てもらえるため、自分では気づけなかった課題にも目が向けられます。
経営のことを一人で抱え込まず、専門家と一緒に考えていくことで、次の一歩をより確実に踏み出せるようになります。
税務相談
確定申告に関することはもちろん、「この出費は経費になる?」「インボイス制度で気をつけることは?」といった素朴な疑問にも答えてくれます。税金に関するちょっとした悩みも、気軽に相談できるところが魅力です。
ただし、商工会の担当者は税理士ではないため、代理で申告をしたり、専門的な判断を下したりすることはできません。あくまで、基本的な税の知識をもとにアドバイスしてくれる、身近な相談相手と考えてください。
税務署には聞きづらい内容でも話しやすく、早めに相談すれば、大きなトラブルになる前に解決の糸口が見つかることもあります。
経理・会計指導
商工会では、帳簿のつけ方や仕訳の考え方など、経理や会計の基本について指導しています。会計ソフトの使い方や、青色申告に必要な複式簿記の基礎を学べる場として、経理に不慣れな事業者にとっては強い味方です。
また、記帳代行も提供しています。会費とは別に利用料がかかりますが、記帳業務の負担を軽減したい方にとっては大きなメリットでしょう。
ただし、依頼したい内容やボリュームによっては税理士のほか、専門の記帳代行サービスのほうが適しているケースもあります。記事の後半では、記帳代行サービスについても解説しているので、参考にしてください。
そもそも記帳代行サービスとは何か、そのメリット・デメリットを詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
合わせて読みたい:記帳代行とは?メリット・デメリットがよく分かる
金融・融資相談
事業に必要な運転資金や設備投資のための資金調達も、商工会が力を入れて支援している分野のひとつです。事業の内容や状況に合った公的融資制度を紹介してくれるほか、申し込みに必要な手続きもサポートしてくれます。
中でも、多くの事業者に利用されているのが、商工会の推薦によって申し込める「マル経融資(小規模事業者経営改善資金)」です。日本政策金融公庫が実施しており、無担保・無保証で利用できます。融資に欠かせない事業計画書の作成も、商工会の経営指導員がしっかり支えてくれます。
金融機関に直接相談する前に、まず商工会でアドバイスを受けることで、融資の通りやすさがぐっと高まるでしょう。お金の手当てだけでなく、自社の経営状況を見直すきっかけにもなるため、前向きな資金調達を目指す方にとって大きな支えとなります。
税理士による無料相談
多くの商工会では、確定申告の時期にあわせて、税理士による無料相談会を実施しています。税務署ではカバーしきれない細かな悩みにも、専門家が直接答えてくれる貴重な機会です。
相談会では、控除が使えるかどうかの確認や帳簿のチェック、提出書類の最終確認など、実際の申告作業に役立つサポートが受けられます。事前予約が必要なケースもあるので、気になる方は早めに問い合わせておきましょう。
税理士に相談することで申告ミスを防げるのはもちろん、節税のポイントも見落とさずにすみます。
商工会で確定申告サポートを受けるメリット
商工会の確定申告サポートは、費用負担が軽く、相談のハードルも低いのが特徴です。税務だけでなく経営全体を見据えた支援が受けられます。
費用が安い
商工会による確定申告サポートの大きな魅力は、費用の負担が少なくて済むことでしょう。税理士に個別で依頼するとそれなりの料金がかかりますが、商工会のサポートであれば、より手ごろな価格で利用できます。
商工会の会員であれば、記帳代行や申告書類の作成といったサポートも比較的リーズナブルな料金で利用できます。地域によって違いはありますが、年間で数万円程度に収まることも多く、コストパフォーマンスはかなり高めです。
特に創業初期や副業レベルの事業者には、手軽さと費用面での恩恵が大きいといえます。
敷居が低い
「こんな初歩的なことを聞いても大丈夫かな」と不安に思うのは、多くの事業者が抱えがちな悩みです。そんな中で、同じ地域で活動している商工会は、税理士や税務署に比べて相談する際の心理的ハードルが低いのではないでしょうか。
こうした相談のしやすさが、問題を早めに見つけて対処することにつながるのです。悩みを一人で抱え込まずに済むことで、気持ちもぐっと楽になります。
経営全般の相談も可能
前述の通り、商工会のサポートは、確定申告にとどまらず、事業運営に関するさまざまな相談も含んでいます。売上を伸ばすための工夫や資金調達の方法、人材育成に関する悩みなど、経営にまつわる幅広いテーマについてアドバイスを受けることができます。
事業の規模が大きくなるにつれて、会計と経営判断は切り離せないものになっていきます。一貫した支援を受けられることで、将来を見据えた取り組みがしやすくなるはずです。
商工会では解決しきれない?多くの事業者が直面する3つの壁
多くのメリットがある商工会ですが、全ての事業者の悩みを解決できる万能な存在ではありません。その公的な役割ゆえのサポート範囲やスタイルには限界があり、求めるものによってはミスマッチが生じる可能性も。
入会後に後悔しないため、注意すべき点を見ていきましょう。
記帳代行の依頼は主に個人事業主が対象
商工会は、その成り立ちから小規模事業者の支援に重点を置いています。そのため、会員の多くは個人事業主や家族経営といった小規模な事業者が占めています。
こうした背景から、商工会で提供されている記帳代行サービスは、原則として個人事業主のみを対象としている場合がほとんどです。法人のように複雑な経理処理には対応していないことが多く、利用したくても対象外となってしまいます。
そのため、一定以上の事業規模を持つ法人や、今後法人化を視野に入れている事業者は、記帳代行を税理士や専門の記帳代行サービス業者に依頼する必要があります。
サービスの範囲が最低限に留まること
商工会の目的は、あくまで会員事業者が「法令に基づき、正しく帳簿を作成し、申告義務を果たす」ことをサポートする点にあります。そのため、以下のような一歩踏み込んだサービスは基本的に期待できません。
- 積極的な節税対策の提案
- 高度な経営分析やコンサルティング
- 細かな資金繰りのアドバイス
あくまで、受け取った資料を正しく入力するという作業がメインであり、その先の戦略的な部分まではサポート範囲外となります。
スピードと柔軟性の限界
商工会は、地域の多くの事業者を支援しているため、一人ひとりに対して即時かつ柔軟な対応を行うには限界があります。特に繁忙期や申告時期には、相談の予約が取りづらくなることもあります。
また、提出期限が迫っている場面での対応や、イレギュラーな手続きへの対応については、スピード感が不足するケースも。すぐに動いてほしいと感じる場面では、タイムラグがストレスになることもあります。
商工会の支援は制度上、幅広いニーズに応える仕組みではありますが、緊急対応や個別ニーズへの柔軟な対応は民間サービスと比べて難しい側面があります。
【あなたに合うのは?】商工会・税理士・記帳代行サービスを比較
記帳や確定申告のサポートを受けたいと考えたとき、商工会・税理士・専門の記帳代行サービスのどれを選ぶべきか迷う方も多いはずです。それぞれに特徴があり、事業規模や求めるサポート内容によって、最適な選択肢は変わってきます。
以下は、それぞれの特徴が一目でわかる比較表です。
商工会 |
税理士 |
記帳代行サービス |
|
主な目的 |
経営の基礎を学ぶ |
節税・経営コンサル |
経理の手間をなくす |
費用の目安 |
◎ 安い (年会費+α) |
△ 高い (月額顧問料+決算料) |
◯ コスパ良し |
手間の削減 |
△ (自分でやるのが基本) |
◯ (丸投げ可能だが高価) |
◎ (丸投げOKで手頃) |
サポート範囲 |
◯ (経営全般の相談) |
◎ (税務・経営全般) |
◯ (記帳特化) |
専門性 |
△ (幅広いが浅い) |
◎ (税務のプロ) |
◯ (記帳のプロ) |
おすすめな人 |
コストを抑え、自分で経理を学びたい人 |
資金に余裕があり、節税も経営も任せたい人 |
本業に集中したい、コスパ良く手間をなくしたい人 |
商工会は費用負担が小さく、初めて確定申告に取り組む個人事業主にとっては心強い存在です。一方で、より高度な税務アドバイスや完全な丸投げ体制を望むなら、他の選択肢のほうが実務にフィットすることもあります。
記帳代行サービスは、領収書を送るだけで記帳から月次レポートまで対応してくれます。税理士に依頼するほど費用は出せないものの、経理作業に煩わされず本業に集中したい方には向いているでしょう。
合わせて読みたい:記帳代行の相場はいくら?料金体系や選び方を依頼前に押さえよう
コストと手軽さで選ぶなら「記帳代行ドットコム」がおすすめな理由
経理(記帳)業務を効率化したいけれど、費用がかさむのは避けたい。そんな個人事業主や小規模法人には、記帳代行サービスである記帳代行ドットコムがおすすめです。
業界最安水準の料金に加え、領収書の丸投げ対応や、税理士との連携による確定申告サポートまで、一連の流れをワンストップでカバーしています。
業界最安水準の料金体系
記帳代行ドットコムの大きな魅力は、業界最安クラスの料金設定です。取引数や事業規模に応じた明確な料金体系が用意されており、コストを意識する事業者でも安心して利用できます。
個人事業主や創業まもない方にとって、記帳代行を依頼するハードルは費用の高さにあるでしょう。その点、明朗な価格と柔軟なプランが用意されている同サービスは、継続的な利用のしやすさに直結しています。
「できるだけ安く経理の負担を減らしたい」という方にとって、気軽に始めやすい価格設定は大きな後押しになるはずです。初めての外注先としても安心して選べるサービスです。
領収書を「丸投げ」OK
記帳代行ドットコムでは、領収書や請求書などの書類をまとめて送るだけで、面倒な記帳作業を丸ごと任せられます。仕訳や書類の分類といった手間は不要で、1年分をまとめて提出することも可能。
提出された情報は、専門スタッフが丁寧に処理します。作成された帳簿データはクラウド経由で共有されるため、パソコンやスマートフォンからいつでも確認できます。必要な数字をリアルタイムで把握でき、日々の経営判断にも役立つ環境です。
さらに、複数の事業や店舗を運営している方には、部門別・品目別の仕訳に対応した「プレミアムプラン」も用意されています。複雑な経理にも柔軟に対応できる体制は、他の記帳代行サービスと比べても大きな魅力のひとつです。
税理士との連携で確定申告までワンストップ
記帳代行ドットコムでは、日々の記帳業務に加えて、確定申告や決算書の作成が必要になった際に、信頼できる税理士を紹介する体制が整っています。顧問契約なしでのスポット依頼にも対応しており、申告だけ頼みたいという方にも利用しやすい仕組みです。
税理士の紹介は、ご相談内容や業種・事業規模に応じて最適な方をマッチングしており、紹介料などの費用は一切かかりません。さらに、助成金の申請や融資サポートなど、行政書士が関わる手続きについても、必要に応じて相談することが可能です。
「記帳は代行サービスに任せて、申告は税理士に」と分けて手配する手間がなく、スムーズに連携できるのが大きな魅力です。
まとめ
本記事では、確定申告の相談先として商工会を中心に取り上げつつ、税理士や記帳代行サービスといった他の選択肢も紹介しました。
商工会は費用を抑えたい個人事業主にとって頼もしい存在ですが、より多くの経理業務を任せたい場合や、法人の複雑な処理には限界があります。
重要なのは、自分の事業規模や「何に悩んでいるのか」に合わせて、最適なサポートを選ぶこと。「経理の手間をなくして本業に集中したい」と考えているなら、記帳代行サービスが有力な選択肢となるでしょう。
中でも、記帳代行ドットコムは、コストの手軽さと使いやすさを兼ね備えた、初心者にもやさしいサービスです。「自分にも合いそうかも」と感じた方は、まずは公式サイトをのぞいてみてください。