テレアポは、ただひたすら架電をこなせばよいのではなく、その質を高めることも忘れてはなりません。
テレアポのコツは、うまく心理学を応用して人の心の動きや反応を理解し、商品やサービスの魅力が適切に伝わるようにすることです。
そこで、本記事では、テレアポに活かせる心理学のテクニックを5つに絞って説明します。
テレアポに心理学を活用すると、以下のような効果が見込めます。
これらについて解説します。
電話の相手が営業だと分かった瞬間、警戒心を抱き、なるべく早く電話を終わらせようという反応を取る人は多いでしょう。
電話の受信者は、電話の向こうのテレアポ担当者が一方的に自分の興味のない商品やサービスの話を始め、最終的にはうまく丸め込もうとしているのではないかと感じるためです。
このようなとき、心理学を応用すれば、相手が電話に出た最初のタイミングで、効果的に相手の注意を引くこともできます。
例えば、いきなり商品やサービスについて話し始めるのではなく、相手の現在の状況やニーズについて質問することから対話を始める方法などが考えられます。
このような対話の始め方は、相手が自分の状況に関連する内容であると感じやすくなり、話を聞くことに対してオープンになってもらう結果をもたらします。
テレアポにおける心理学の活用は、単にアポイントを獲得する以上の意味を持ちます。
アポイントの獲得率を高めるだけでなく、アポイントの質を向上させ、最終的に成約率を引き上げることに繋がるからです。
心理学のテクニックを使うことで、受信者に「聞く姿勢」になってもらうことにより、効果的に興味や関心を引き出すことも可能です。
例えば「社会的証明」や「好意の法則」などを利用すれば、相手に聞く耳をもたせやすくなります。既に多くの人が利用している実例を示したり、相手の小さな要求に応じて相互性を促進したりすることができます。
その結果、相手はアポイントを取ることに対して肯定的な印象を持ちやすくなり、アポイントの質そのものが向上します。
限られた時間と情報の中でも、見込み客である受信者との距離を縮め、信頼を築きや
音声のみを通じてコミュニケーションを取るテレアポでは、相手の非言語的な反応を直接見ることができないため、言葉選びや話し方が非常に重要になります。
そこで、心理学の知識を応用することで、相手の心理状態やニーズを読み取り、それに応じたアプローチを取りやすくなるでしょう。
相手の立場に立ったコミュニケーションを実現するためには、まず相手の興味や関心、現在直面している問題に理解を示すことに努めます。
それによって、相手がどのような情報に価値を感じるか、どのような提案に耳を傾ける可能性が高いかを見極めるヒントが得られます。
ここで紹介する心理学のテクニックが、こちらです。
それぞれについて詳しく説明します。
パターンインタラプトは、相手の定型的な思考パターンを崩し、一瞬立ち止まって考えさせる状態を作るものです。
パターン化した思考を意図的に中断させることで、相手の反応や行動を遅らせ、注意を引くことを目的としています。
テレアポでは、電話に出た人が、営業電話と認識することで無意識的に抱く「早く切りたい」という思考パターンを邪魔し、相手が立ち止まった隙に営業を開始していきます。
テレアポでポイントになるのは、通話の開始方法です。
電話の受信者が営業電話だとすぐ理解できないような切り出しをすれば、彼らが通常示すような拒否反応を遅らせることができます。
例えば、単純かもしれませんが、自己紹介を名前と会社名だけにするなど極めてシンプルにすることで「この電話は誰からか?セールス目的?それとも…」と受信者の判断を遅らせることができます。
このようなわずかな隙が、テレアポ担当者に会話を続ける余地を与えるのです。
とはいえ、パターンインタラプトは相手の注意を引くための手段に過ぎません。実際に信頼を得て、関係性を構築していくためには、当然ながら、その後の会話が重要になります。
この段階では、電話をかけた理由を明確にし、相手にとってのメリットを示すことが必要です。このような段階を踏み、適切に相手の興味に応じた情報を提供することで、ただの営業電話から価値あるコミュニケーションへと移行させることができるでしょう。
バンドワゴン効果とは、多数派の意見に大きな影響を受ける心理を指します。
「多くの人が選んでいるから、それは良い選択だろう」というような判断をすることです。
テレアポでバンドワゴン効果を応用すれば、効果的に商品やサービスの人気を示せます。
バンドワゴン効果をうまく使うには、具体的な数字を提示するのがポイントです。
例えば「1か月で5000人を超えるお客様にお使いいただいており、そのうち90%以上の方がリピートされています」といった数値を示すことで、多くの人が使っているから安心であると思わせることができます。
バンドワゴン効果をテレアポで活用する際は、商品やサービスを利用している他の顧客の成功事例や、市場でのポジション、利用者数など、見込み客が興味を持ちそうな情報を用意しておくことが有効です。
これにって、見込み客に「今がチャンス」「これを逃す手はない」という感覚を抱かせ、アポイント獲得につなげることができるでしょう。
バンドワゴン効果は、見込み客の意思決定プロセスにおいて「社会的証拠」として機能し、テレアポにおける成果を大きく左右する要素のひとつとなり得ます。
フレーミング効果は、情報の提示方法を変えることで、相手の受け取り方や印象を変えることができる原理に基づいています。
同じ事実であっても、その表現方法によって見込み客の反応を大きく変えることが可能です。
例えば、以下のような同じ事実を比較してみます。
A:弊社の商品は90%のお客様から満足いただいております」
B:10人に1人は不満を抱いています
A・Bはまったく事実を同じく伝えているにもかかわらず、Aのほうがはるかに肯定的なイメージを与えることが分かるでしょう。
テレアポにおいてフレーミング効果を有効に活用するためには、どのように情報の枠組みを捉え直すかが重要です。
ポジティブなフレーミングを用いることで、商品やサービスの特徴をより魅力的に見せることができるだけでなく、見込み客の購買意欲を喚起することもできます。
逆に、ネガティブなフレーミングは、見込み客の不安や懸念を引き起こす可能性もあるため、注意を要します。
フット・イン・ザ・ドアテクニックは、小さくて受け入れやすい要求から始め、徐々に大きな要求へと段階的にレベルを上げていく手法です。
フット・イン・ザ・ドアテクニックの背景にあるのは、いったん受け入れた要求は、その後も一貫して受け入れやすくなる心理に基づいています。
テレアポにおいて実践するには、最初に「資料をお送りさせてもらえませんか」など実行しやすい小さなお願いから始めるのがコツです。
初期の段階で引き出した「YES」は、見込み客との関係構築の入り口となり、その後の提案を受け入れやすくするための重要な第一歩となります。
一度小さな要求を承諾した見込み客は、自身がその関係やプロセスにコミットしているという感覚を持ちやすくなります。このコミットメント感が、後に続くより大きな要求、例えば「無料体験を試してみませんか」という提案に対する受け入れやすさを高めるのです。
フット・イン・ザ・ドアテクニックの効果を最大限に引き出すためには、最初の要求が実際に受け入れやすく、見込み客にとって無理なく行えるものであることが必要です。
また、段階的に要求をエスカレートさせる際には、見込み客の興味やニーズに対して敏感であること、そして提案が自然かつ論理的に繋がっていることが求められます。
ドア・イン・ザ・フェイステクニックは、先ほどのフェイス・イン・ザ・ドアテクニックと反対側からアプローチする手法といえます。
ドア・イン・ザ・フェイステクニックでは、最初に意図的に大きな要求を行います。そして、見込み客に要求が拒否された後、より小さな、実際には達成したい要求を段階的に提示し「それくらいなら…」と受け入れてもらいやすくするのです。
テレアポの場面で利用する際は、最初に見込み客にとって受け入れがたいと感じるような提案から始めます。
例えば、最も高価なプランを、最初に提案するのです。そして、見込み客がその提案を拒否した場合、テレアポ担当者はより手頃なプランを提案します。この段階での提案は、見込み客にとって先の要求よりも受け入れやすく感じられるため、合意に至る可能性が高くなるのです。
人はいったん拒否した後に妥協案を提示されることで、より好意的に反応する傾向があります。
営業担当者は最終的に希望する成果を達成しやすくなります。
テレアポを円滑に進めるためのコツとして、心理学のテクニックを紹介しました。
ここで紹介したような心理学の知識をうまく応用すれば、巧みに相手を誘導することもできるため、アポイント獲得率を高めるのに役立つでしょう。
ただし、前提としてテレアポリストの更新や受注した案件の管理などの顧客管理が適切に行われている必要があります。
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