知らないとトラブルに?防犯カメラの撮影範囲で押さえるべき注意事項

ネットワークカメラ

防犯カメラの「撮影範囲」、正しく理解できていますか?設置場所、画角、レンズ選び…ちょっとした注意で、防犯効果は大きく変わります。

 

玄関、駐車場、店舗、工場など、場所別のポイントも詳しく解説。プライバシー問題や法律についても触れ、トラブル回避のヒントもお伝えします。

 

この記事では、防犯カメラの撮影範囲に関するあらゆる疑問を解消し、あなたの防犯対策を強力にサポートします。

 

この記事の目次
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防犯カメラの撮影範囲で注意すべきこと

ドーム型のカメラ

防犯カメラを設置する際には、適切な撮影範囲の設定が防犯効果を高め、かつプライバシーに関するトラブル回避に役立ちます。ここでは、注意が必要な3つのポイントについて、詳しく解説していきます。

プライバシーへの配慮

防犯カメラを設置する際は、周囲の人のプライバシーにも配慮することが大切です。例えば、自宅に設置する場合、カメラの向きが隣の家の窓や玄関を直接映してしまうと、トラブルの原因になる可能性があります。

 

自宅の敷地内を撮影することを基本とし、必要に応じて、カメラの設定で映したくない範囲を隠せる「プライバシーマスク」機能を活用すると良いでしょう。

 

また、防犯カメラの映像は、個人の特定につながる情報を含むため、「個人情報保護法」の適用対象となることもあります。映像は、あくまでも防犯目的で使用し、目的外利用は避けることが必要です。

 

防犯カメラ設置に関する法律について、下記の記事も参考にしてください。

 

>> 防犯カメラ設置に関する法律とは?知っておきたいポイントを解説

死角を作らない設置方法

防犯カメラの効果を最大限に発揮するためには、死角をできるだけ少なく設置することが求められます。カメラの向きが悪いと、肝心な部分が映らず防犯効果が低下します。広角レンズを選ぶことでより広い範囲をカバーできますが、死角ができる場合は複数台を組み合わせるのが理想的です。

 

また、設置する高さもポイントです。高すぎると顔が認識しづらく、低すぎると簡単に壊されてしまう恐れがあります。人の目線より少し高い、2.5メートルから3メートル程度の高さに設置すると良い場合があります。

環境要因への対策

屋外に設置する防犯カメラは、雨や風、日光などの影響を受けるため、環境に合わせた対策が必要です。まず、防水・防塵性能を備えた屋外用のカメラを選びましょう。また、直射日光が当たると、映像が白飛びして見えにくくなることがあるため、カメラの向きを調整したり、ひさしを設けたりして、直射日光を避ける工夫をしましょう。

 

さらに、夜間でもしっかり撮影できるように、赤外線暗視機能のついたカメラを選ぶことも大切です。暗闇でも、赤外線で照らすことで、鮮明な映像を記録できます。

防犯カメラの撮影範囲を理解する

広範囲を撮影するカメラ

防犯カメラを設置する際、「どこまで映るのか」という撮影範囲の理解が求められます。ここでは、撮影範囲を決める重要な要素である「画角」について、解説していきます。

撮影範囲と画角の関係

防犯カメラが映し出せる範囲、つまり「撮影範囲」は、「画角」と密接に関わっています。画角とは、カメラのレンズが捉えられる範囲を角度で表したものです。

 

レンズは、主に3種類に分かれます。

 

  • 広角レンズ:画角が広く、広範囲を写せる
  • 標準レンズ:人間の視野に近い画角で、防犯カメラで標準的
  • 望遠レンズ:画角が狭く、遠くのものを大きく写せる

 

例えば、人物とその周囲など広い範囲を撮影したい場合は、画角の広い「広角レンズ」を備えたカメラを選ぶ必要があります。逆に、特定の場所だけをピンポイントで拡大して撮影したい場合は、画角の狭い「望遠レンズ」を備えたカメラが適しています。

 

つまり、設置したい場所や目的に合わせて、適切な画角のカメラを選ぶことが、防犯効果を高めるための第一歩といえるでしょう。

水平画角と垂直画角の違い

画角には「水平画角」と「垂直画角」があります。水平画角とは、カメラが水平方向にどれくらいの範囲を映せるかを示す角度です。部屋の横幅全体を映したい場合は、水平画角が広いカメラを選ぶ必要があります。

 

一方、垂直画角とは、カメラが垂直方向にどれくらいの範囲を映せるかを示す角度です。例えば、玄関先を映す際に、人の頭の先からつま先までをしっかり映したい場合には、垂直画角も考慮する必要があります。

 

駐車場の監視では水平画角を重視し、エレベーターホールの監視では垂直画角も考慮するなど、設置場所の特性に応じて適切な画角を選びましょう。

焦点距離と画角の関係

カメラのレンズには「焦点距離」というものがあり、これが画角を左右する要素となります。焦点距離とは、レンズの中心からイメージセンサー(映像を捉える部分)までの距離を表したものです。

 

焦点距離が短いレンズほど画角は広くなり、焦点距離が長いレンズほど画角は狭くなります。レンズの焦点距離と画角は密接に関係しているため、撮影したい範囲に合わせて適切な焦点距離のレンズを選ぶ必要があります。

 

まずは、焦点距離が画角に関係する数値であることを理解しておけば良いでしょう。

防犯カメラの撮影範囲を決定する際のポイント

屋外を撮影する防犯カメラ

せっかく防犯カメラを設置しても、肝心な場所が映っていなければ意味がありません。

 

撮影範囲を決定する際には、設置目的を明確にすること、監視したいエリアを特定すること、そしてカメラと被写体までの距離を正しく測定することが必要です。これらについて、以下で説明します。

設置目的の明確化

防犯カメラを設置する際に、まず明らかにしておくべきなのがその目的です。店舗であれば万引き防止なのか、レジ周りの監視なのか、あるいは駐車場での事故防止が目的なのかによって、必要な撮影範囲は大きく変わってきます。

 

不審者の顔を確認したい場合は鮮明な映像が必要ですし、広いエリアの状況を把握したい場合は広い撮影範囲が求められます。

 

このように目的がはっきりしていないと、どのようなカメラを選べば良いのか、どこに設置すれば良いのかが分からなくなってしまいます。基本的なことですが、まず「何を守りたいのか」「どんな状況を記録したいのか」を考えることが第一歩です。

監視したいエリアの特定

次に、「監視したいエリアを特定する」ことが必要です。これは、カメラでどの範囲を映したいのかを具体的に決める作業です。玄関のドアだけを映したいのか、それともドアの周辺や道路まで含めて広い範囲を映したいのかを考えます。

 

また、室内であれば部屋全体を映すのか、特定の棚やレジ周辺だけを映すのかを明確にしましょう。監視したいエリアを特定することで、必要なカメラの台数や設置場所、そして適切な画角も見えてくるでしょう。

カメラと被写体間の距離の測定

防犯カメラを設置する際には、カメラから撮影したい場所(被写体)までの距離を把握する必要があります。なぜなら、この距離によって、必要な画角やレンズの種類が変わってくるからです。

 

前述の通り、遠くのものをはっきり映したい場合は、望遠レンズが必要になり、近い距離を広く映したい場合は、広角レンズが適しています。

 

距離を正確に測るには、メジャーやレーザー距離計を使うのが一番です。距離が計測できたら、以下の計算式を利用することで撮影範囲を導くことができます。

 

撮影範囲=tan(画角÷2)×被写体までの距離×2

 

例えば、画角90°、被写体までの距離が5mの場合、以下のような計算となります。

 

撮影可能範囲 =(tan90 ÷ 2) × 5 × 2

=(tan45) × 10

 

tan45は1なので、1×10=10(m)です。つまり、このとき撮影できる幅は10mであることが分かります。

設置場所別の撮影範囲の注意点

屋内の設置された防犯カメラ

防犯カメラを設置する際には、設置場所ごとに異なる目的や環境に応じた注意点を考慮すると、より効果を発揮しやすくなります。

 

以下では、設置場所ごとの具体的な注意点と、効果的な撮影範囲の確保方法について詳しく解説します。

玄関

玄関に防犯カメラを設置する際は、訪問者の顔や動きをしっかりと捉えられるようにします。そのため、カメラは玄関ドアを正面から映せる位置に設置するのが効果的です。

 

ただし、画角が広すぎると周囲の不要な部分まで映り込み、逆に狭すぎると訪問者の全体像が映らない可能性があります。カメラの高さにも注意が必要です。高すぎると顔が見えにくくなり、低すぎるといたずらされるリスクが高まります。

 

また、玄関は日中と夜間で明るさが大きく変わるため、逆光対策や夜間撮影に対応したカメラを選ぶことも検討しましょう。

駐車場・車庫

駐車場や車庫に防犯カメラを設置する際は、車上荒らしや車両盗難を防ぐため、車両全体を捉えられる広い範囲を撮影できるようにしましょう。ナンバープレートを明確に識別できる解像度の高いカメラを選ぶことも必要です。

 

夜間は暗くなるため、暗視機能付きのカメラを選択すると良いでしょう。これに加え、イタズラや当て逃げ対策として、録画だけでなく、リアルタイムで映像を確認できる機能を備えたカメラを選ぶのもひとつの方法です。

庭・裏口

庭や裏口は、侵入経路になりやすいため、防犯カメラの設置が効果的です。特に、死角になりやすい場所や、窓や勝手口など、侵入口になりそうな場所を重点的に撮影できるようにしましょう。

 

広範囲を撮影できる広角レンズを備えたカメラや、人の動きを検知して自動で向きを変えるAI検知機能を備えたカメラも有効です。

店舗・オフィス

店舗やオフィスでは、防犯対策だけでなく、従業員の不正行為の抑止や、業務改善のために防犯カメラが活用されています。金銭を扱うレジ周辺や、重要な書類や商品を保管している場所は、重点的に撮影しましょう。

 

内引き対策については、関連記事もご覧ください。

 

>> 内引きへの対策とそのポイントとは?

 

ほかには、従業員や顧客の動線を把握できる位置にカメラを設置することで、トラブル発生時の状況確認や、マーケティングへの活用も可能です。

 

ただし、従業員や顧客のプライバシーにも配慮し、カメラの設置場所や撮影範囲について、事前に十分な説明を行い、同意を得なければなりません。更衣室やトイレなどプライバシー侵害となる場所は設置しないようにしましょう。

工場・倉庫

工場や倉庫では、広大な敷地や、多数の出入口、死角になりやすい場所を効果的に監視することが求められます。敷地全体を俯瞰的に撮影できる高所に、広角レンズを備えたカメラを設置したり、重要なエリアにはズーム機能を備えたカメラを設置したりするのが効果的です。

 

粉塵や水濡れのリスクがある場所では、防塵・防水性能の高いカメラを選ぶことも検討すべきです。防犯だけでなく、従業員の安全管理や、作業効率の改善にも役立てられるよう、設置場所や撮影範囲を検討しましょう。

まとめ

この記事では、防犯カメラの撮影範囲に関する注意点を説明しました。撮影範囲が不適切だと、防犯効果が十分に発揮されないだけでなく、プライバシーの問題や死角の発生といったリスクも生じます。

 

しかし、多様な防犯カメラから最適な機種を選び、適切な場所に設置するのは簡単ではありません。そこでおすすめしたいのが、高性能AIカメラを用いたクラウド型防犯カメラシステム「VWS Cam」です。

 

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