スーパーフレックス制度とは?意外と知らないメリット・デメリットを解説

勤怠管理

スーパーフレックスとは、フレキシブルな働き方を通して、長時間労働の改善や労働への満足度向上を実現するための制度です。

しかし、まだ耳慣れない人も多いのではないでしょうか。本記事では、スーパーフレックスについて従来の働き方と比較しながら、メリット・デメリットについて紹介します。

この記事の目次
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スーパーフレックスとは

スーパーフレックス

スーパーフレックスとは、従業員が自分の始業と終業の時刻を自由に決定できる働き方のことです。

厚生労働省は、長時間労働の削減に向けた企業の好事例に関する説明の中で「スーパーフレックスタイム(始終業時刻を本人が決定し且つ就労義務のあるコアタイムのない制度)」と述べています。

参考:厚生労働省「長時間労働削減に向けた各企業の好事例 ~「働き方・休み方改善ポータルサイト」掲載例~」

スーパーフレックスを知るには、裁量労働制とフレックス制度との違いについて理解すると、分かりやすいでしょう。

裁量労働制との違い

スーパーフレックスも裁量労働制も、従来の固定勤務時間に縛られないという点は共通していますが、労働時間のカウントの仕方に違いがあります。

スーパーフレックスでは、「実労働時間」を正確にカウントするのに対し、裁量労働制ではいわゆる「みなし残業」を採用する点が異なるのです。

スーパーフレックスのもとでは、従業員が実際に働いた時間が正確に計測され、それに基づいて給与が支払われます。一方で、裁量労働制では、従業員は事前に定められた「みなし労働時間」に基づいて給与が計算されます。

裁量労働制では、どのような成果を出したかが評価の中心となり、実際にどれだけ働いたかに重きを置くわけではありません。つまり、従業員が少ない時間で高い成果を出せば、実際に働いた時間がみなし時間よりも短くても、みなし時間分の給与を受け取ることができます。しかし、逆に多くの時間を働いても、みなし時間で計算されるため、その時間全てが給与に反映されるわけではありません。

フレックス制度との違い

フレックス制度では、1日のうち特定の時間帯(コアタイム)には全従業員が必ず働く必要があり、その他の時間(フレキシブルタイム)は、従業員が自由に出勤や退勤の時間を決められます。コアタイムとフレキシブルタイムの組み合わせによって、勤務時間を調整できるのが、フレックス制度です。

一方で、スーパーフレックスの場合、コアタイムが設定されていません。つまり、従業員は1日の労働時間全体を自由に設定することができ、出勤や退勤の時間を完全に自己の判断で決めることができます。

このような労働システムでは、従業員の自由度がさらに高まり、個々人のライフスタイルによって、より柔軟に時間を管理することが可能になるのです。

このように、フレックス制度とスーパーフレックス制は、従業員が働く時間をどの程度自由に決定できるかという点で異なります。フレックス制度は一定の枠組み内での柔軟性を提供するのに対し、スーパーフレックス制はもっと広い範囲で自由を許容しています。

スーパーフレックス導入のメリット

スーパーフレックス

スーパーフレックス導入のメリットとして、以下のようなメリットがあります。

  • 多様性のある働き方を実現できる
  • 離職率が低下して優秀な人材が集まる
  • ワークライフバランスが向上する
  • 長時間労働を減らせる

それぞれ解説します。

多様性のある働き方を実現できる

スーパーフレックスでは、1日勤務時間が従業員に委ねられているため、それぞれのライフスタイルや必要に応じて、労働時間を自由に設定できます。

例えば、夫婦共働きの家庭では、一方が子供の送り迎えをするため早朝に働き、もう一方が夜遅くまで働くなど、家庭の状況に合わせた勤務体系を組むことができます。また、仕事と両親の介護、または資格取得の勉強といった、複数の責任や目標を持つ人も、自分の時間を効率的に管理しながら、これらの活動をバランス良くこなすことが可能になるでしょう。

また、スーパーフレックスにおいては、周りの目を気にする機会も減ります。従業員が自分の事情に基づいて勤務時間を調整できるため、遅刻や早退が必要になる状況でも周囲の状況を気にすることなく、仕事と私生活の調和を図ることができるのです。

そのため、従業員は自身の健康や家族のニーズに応じて柔軟に対応することができ、ストレスの軽減や生活の質の向上にも繋がります。

離職率が低下して優秀な人材が集まる

多くの従業員は育児、介護、学業など、さまざまな個人的な事情を抱えています。ときに、このような責任を果たしながら定時制の勤務を続けることが難しい場合があるでしょう。

スーパーフレックスを採用することで、従業員は自分の生活に合わせて勤務時間を柔軟に決められるようになります。これが、仕事と私生活のバランスを取る大きな助けとなります。そのため、育児や介護などの理由で離職を考えていた人材も、企業に留まり続けることが可能となるのです。

また、スーパーフレックスは企業のブランドイメージを強化し、柔軟な働き方を推進する会社としての評判を高めます。このようなイメージは、就職活動中の人にとって大きな魅力となり、多様なバックグラウンドやスキルを持つ優秀な人材を引き寄せることに貢献します。

働きやすい環境を重視する企業は、競争市場において優れた人材を確保しやすくなり、これが企業の全体的なパフォーマンスと成長に寄与するのです。

ワークライフバランスが向上する

スーパーフレックスにおいては、従業員が自分の始業および終業時間を自由に設定できるため、個々のライフスタイルや必要に応じた柔軟な働き方が可能となります。

従来のフレックス制度ではコアタイムが設定され、全従業員が指定された時間内に働かなければならないため、場合によっては仕事と私生活のバランスを取ることが難しいときがあります。

しかし、スーパーフレックスではコアタイムが存在しないため、育児や介護などを続けながら、早朝や夜間など、自分に最適な時間で仕事をすることができるのです。個人の生活状況や健康状態に合わせて勤務スケジュールを調整することができ、仕事とプライベートの両立がしやすくなります。

このように、従業員はストレスを減らし、生活の質を向上させることができます。また、ワークライフバランスが向上すると、従業員の満足度や仕事への意欲も高まり、これが結果的に生産性や職場の雰囲気の改善にも繋がるでしょう。

長時間労働を減らせる

従来の定時制では、仕事が終わった後も会社に残る文化がある場合が多く、それが長時間労働を助長する原因となっていました。しかし、スーパーフレックスを採用することで、従業員は自分の仕事が終われば、無理に会社に留まる必要がなくなり、それにより長時間労働が自然と減少します。

また、スーパーフレックス制度では、総労働時間の枠内であれば、従業員が自身の実労働時間を調整できるため、残業時間の削減もしやすくなります。これは、従業員が自分の仕事のペースを自ら管理できるようになるため、無駄な時間を削減し、効率的に仕事を進めることができるからです。

結果として、従業員は仕事とプライベートのバランスをより良く保つことができ、ストレスの軽減や健康状態の向上にも繋がります。

スーパーフレックス制度のデメリット

スーパーフレックス

スーパーフレックスのデメリットとして、以下のことが考えられます。

  • コミュニケーションが取りづらくなる
  • 勤怠管理が複雑になる

これらに注意しながら、スーパーフレックス導入を図る必要があります。

コミュニケーションが取りづらくなる

スーパーフレックスを導入する際に懸念されるデメリットのひとつは、コミュニケーションの取りづらさです。

コアタイムが設定されていないため、従業員がオフィスにいる時間がバラバラになり、必要な時に直接コミュニケーションを取ることが難しくなる可能性があります。特に、緊急の案件が生じた場合や、即座に意思決定が必要な状況では、担当者が不在であることが問題となります。

このような状況を防ぐためには、社内外での情報共有や連携方法に関する明確なルールを設定し、全従業員がこれを徹底することが重要です。また、認識の違いや連携の遅延を防ぐために、チャットツールやオンライン会議ツールのようなデジタルコミュニケーションツールの活用が不可欠となります。

しかし、これらの対策にもかかわらず、フェイス・トゥ・フェイスでのやり取りの減少は、チーム内の結束力の低下を招くリスクもあります。そのため、スーパーフレックスを導入する際には、これらのデメリットに対応するための適切な策を講じることが必要です。

勤怠管理が複雑になる

従来の勤怠管理システムは、固定された勤務時間に基づいて設計されていることが多くありました。そのため、従業員が自由に始業・終業時間を決定できるスーパーフレックスに対応していない場合があります。

スーパーフレックスでは、従業員がそれぞれ異なる時間に働くため、一人ひとりの勤務時間を正確に追跡し、管理するのが難しくなります。

このような問題に対応するためには、勤怠管理システムの見直しが必要です。社員と管理者が使いやすい勤怠管理システムを導入することで、個々の労働時間の正確な追跡が可能となるでしょう。

しかし、新しいシステムの導入は、コストや時間、トレーニングの必要性という面で企業にとっては大きな負担となる場合があります。さらに、勤怠管理に関するルールを定め、これを従業員に周知し、理解してもらう必要もあります。

勤怠管理の複雑化は、従業員の勤務パターンの多様化に伴うもので、この新しい勤務形態に適した管理システムを確立するまで、一定の調整期間や労力が必要です。したがって、スーパーフレックス制度を効率的に運用するためには、勤怠管理の仕組みを適切に見直し、適応させることが不可欠となります。

まとめ

本記事では、スーパーフレックスについて解説しました。

スーパーフレックスは、多様性のある働き方の実現や優秀な人材確保、ワークライフバランス向上、そして長時間労働の是正など、さまざまなメリットがあります。

一方で、デメリットとしてコミュニケーションの希薄化や勤怠管理の複雑化が挙げられます。スーパーフレックス導入前に、このような問題に対応しなければなりません。特に、勤怠管理についてはシステム化が必須です。

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