ネットワークカメラとは?仕組みや防犯カメラとの違いを解説
ネットワークカメラ
「ネットワークカメラの仕組みとは?」
「従来の防犯カメラとどう違う?」
「Webカメラとの違いを知りたい」
簡単にいえば、インターネットに接続できるのがネットワークカメラです。店舗や現場、オフィスなどに導入されるほか、ペットの見守りなどとして使用されることもあります。
街中などでも目にする機会が多いネットワークカメラですが、これまでの防犯カメラやWebカメラ、IPカメラなど、類似のカメラとの違いについてはあまり知られていません。
そこで、本記事ではネットワークカメラについて以下の内容でお伝えします。
- ネットワークカメラとは
- ネットワークカメラの仕組み
- ネットワークカメラのメリット・デメリット
記事の最後では、低コストでネットワークカメラのレンタルができるサービスも紹介しています。ネットワークカメラの仕組みを知りつつ、導入までを検討されているかたは、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
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ネットワークカメラとは
ネットワークカメラは、スマホやパソコンからリアルタイムで映像の確認ができるカメラシステムです。
ここではネットワークカメラと混同しやすい、IPカメラ・防犯カメラ・Webカメラとの違いについてそれぞれ説明します。
ネットワークカメラとIPカメラ
ネットワークカメラとIPカメラは、基本的に同じものと考えて問題ありません。ただし、細かな定義において、違いがあります。
ネットワークカメラは、映像や音声データを送受信する際に有線や無線のネットワークを通じて行うことに着目した呼び方です。ネットワーク経由で接続が可能なカメラであるという意味で、ネットワークカメラと呼ばれます。
一方で、IPカメラは、データの送受信にインターネットプロトコル (IP)を使用することに焦点を当てているため、IPカメラという呼称があります。
ネットワークカメラと防犯カメラの違い
ネットワークカメラと防犯カメラはどちらも離れた場所から映像を確認できる機器ですが、動作原理など異なる点があります。
ネットワークカメラにおいて映像データは、インターネットや内部ネットワーク経由で転送されます。このため、スマホやパソコンなどのデバイスからアクセスして映像を確認することが可能です。
一方で、防犯カメラは主にカメラから直接モニターへ映像データを転送します。これはワイヤレス防犯カメラに特徴的で、カメラから直接受信機やモニターへ無線で映像を送信します。
また、セキュリティ面でも違いがあります。ネットワークカメラはインターネット上に映像をアップロードするため、不正アクセスのリスクが高まりますが、防犯カメラはインターネットを経由せず直接映像を転送するため、不正アクセスのリスクが低いとされます。
ネットワークカメラとWebカメラの違い
ネットワークカメラは、カメラ自体がIPアドレスを持ち、独自にインターネットに接続できるため、カメラ単体で使用できます。撮影した映像を確認するためには、パソコンやスマホなどの別のデバイスが必要になりますが、撮影自体はこれらのデバイスがなくても行えます。
一方で、Webカメラの使用は、パソコンとの接続が前提です。単体での動作はできず、パソコンへの接続を必要とします。ノートパソコンの画面上部に組み込まれているカメラもこのタイプに該当し、主にビデオチャットのために使用されます。
ネットワークカメラの仕組み
ネットワークカメラはインターネットやLANを介して映像データを送信できるカメラです。
通常の監視カメラと異なり、ネットワークカメラは独立して動作し、特定の録画装置に繋がっているわけではありません。そのため、映像の保存方法にはいくつかの手法があります。
サーバー録画
サーバー録画は、ネットワークカメラからの映像データを専用のデータ保存サーバーに保存する方法です。こちらのサーバーはNVR(ネットワーク・ビデオ・レコーダー)とも呼ばれます。
NVRはLANケーブルを使用してネットワークカメラと接続し、映像データを保存します。この方法は一般的ですが、サーバーの設置、メンテナンス、データ容量の増加に対応するための手間やコストがかかることが特徴です。
NAS録画
NAS(ネットワーク・アタッチド・ストレージ)録画は、ネットワークを経由して外付けのHDDなどのストレージデバイスに映像を保存する方式です。
データの安全性を高めるために、複数のHDDに同時にデータを保存するミラーリング手法をとることも一般的です。NASは比較的低コストで導入可能ですが、使用するカメラの数やデータの量が増加すると、設備の拡張やメンテナンスが必要になることがあります。
クラウド録画
クラウド録画は、ネットワークカメラで撮影した映像をインターネット上のクラウドサービスに保存する方式です。
専用のクラウド録画サービスを利用することで、機器の導入やメンテナンスの手間を省くことができます。クラウドサービスはセキュリティが高く、多くの場合、月額制の料金がかかるのが特徴です。
ネットワークカメラのメリット
ネットワークカメラは、デジタルならではのメリットがあります。
- 設置が簡単にできる
- 映像が劣化しにくい
- アプリで遠隔操作できる
- クラウド保存できる
- セキュリティが優れている
- 同時に複数台の設置ができる
アナログカメラと比較して、ネットワークカメラの魅力は数多くあります。
設置が簡単にできる
従来のアナログカメラ設置には、レコーダーへのケーブルに加え、カメラごとの電源供給のためのケーブルも必要でした。つまり、カメラ1台につきケーブルが2本必要だったのです。そのため、電源供給の制約で望む位置にカメラを設置できないこともありました。
一方で、ネットワークカメラは、この問題を大きく解消します。ネットワークカメラはLANケーブルを利用し、さらに、PoE(Power over Ethernet)という技術を用いることで、カメラへの電源供給もこのLANケーブルを通して行うことが可能になります。
この結果、カメラの設置にLANケーブル1本で済むようになりました。また、Wi-Fi対応している機種もあるため、その場合はワイヤレスでの接続できます。
映像が劣化しにくい
アナログカメラの時代、映像は物理的なケーブルを通して伝送され、その過程でノイズや他の干渉要因の影響を受けやすい傾向がありました。そのため、長距離の伝送や複数回の伝送・保存を経ると映像の劣化が起こりうるものでした。
しかし、ネットワークカメラはデジタル技術を採用しているため、映像の劣化や変質が非常に少なく、鮮明な映像を維持することができます。
また、デジタルデータは再生やコピー時にもオリジナルの品質を保持し続けられる性質があります。これは、保存映像を後で再確認する際や、重要な場面を編集・保存する際に大きな利点となります。従って、事象の特定や解析を行う際に、より正確かつ明瞭な映像を利用できるのです。
アプリで遠隔操作できる
ネットワークカメラはアプリを使った遠隔操作ができます。
世界のどこからでもインターネット接続があれば、スマホやパソコンからリアルタイムでカメラの映像を確認することや、遠隔地からカメラの制御をすることが可能です。
カメラを水平方向に回転させたり(パン)、上下に動かす(チルト)機能、さらには対象物にズームインやズームアウトを行うこともできます。
このような操作性は、特定の状況や物体に焦点を当てたい際や、広いエリアを監視するシチュエーションでの監視効率を大幅に向上させます。
クラウド保存できる
従来の防犯カメラシステムでは、映像の記録や保存のためには専用の録画機の設置が必須でしたが、クラウドを利用したネットワークカメラでは映像データはインターネット経由で直接クラウド上に保存されます。
そのため別途、録画機の設置が不要で、初期費用を削減できます。録画機の設置が不要ということは、録画機にかかるはずのメンテナンス費用も省けることを意味します。
このように、クラウド保存できることにより初期費用・メンテナンス費用のコストダウンが図れるでしょう。
セキュリティが優れている
ネットワークカメラはセキュリティが優れているといえます。
従来の防犯カメラでは、主にカメラ近くの録画機やカメラ内部のSDカードに映像を保存しており、犯罪者にカメラや録画機を破壊されたり、SDカードを取り出されたりするリスクが存在しました。
しかし、ネットワークカメラはその名の通りネットワークを活用して映像を送信・保存するため、録画機やデータ保存装置をカメラから離れた安全な場所に設置することが可能です。
さらに、クラウド技術を活用すれば、映像データを遠隔地のサーバーやデータセンターに保存し、カメラや録画機の物理的な破壊・盗難によるデータ損失のリスクを大幅に軽減させることもできます。
同時に複数台の設置ができる
従来のアナログ防犯カメラは、それぞれ独立して動作しており、映像を確認するためには各カメラ専用のモニターが必要でした。
しかし、ネットワークカメラはインターネットを活用して、映像をネットワーク上に送信するため、インターネットに接続されたスマホやパソコンから、複数のカメラの映像をリアルタイムで確認できます。
ひとつの通信端末だけですべてのカメラの映像を監視し、トラブルがあればすぐに対応できるのです。これは監視の効率化に繋がり、セキュリティレベルの向上にも貢献します。
ネットワークカメラのデメリット
ネットワークカメラは高品質なだけに、その費用は割高となることがあります。そこがネットワークカメラのデメリットといえる、最たるものでしょう。
しかし、ネットワークカメラを月額レンタルする方法もあります。1台550円で導入可能なプランについては記事の最後でお伝えします。
費用が割高になる
数年前と比較すると、従来のアナログカメラとネットワークカメラの価格差は縮小されていますが、それでもアナログカメラに比べると割高なのは事実です。
特に大規模な施設や複数箇所への導入を検討する場合、その差額は無視できないものとなります。アナログカメラの価格と比べれば、ネットワークカメラは数倍から10倍の価格差がある場合もあるでしょう。
ネットワークカメラの運用にはインターネット通信料や、クラウドサービスの月額料金など、継続的なコストも発生します。このような維持費は、長期的に見ればアナログカメラよりも高くなるリスクがあります。
映像が遅延することがある
ネットワークカメラは映像データを圧縮し、ネットワークを経由してモニターに転送する必要があるため、その過程で映像を出力する時間の遅延(レイテンシー)が生じることがあります。
遅延に関係するのは、ネットワークの帯域やカメラの設定、利用しているネットワーク環境などです。
このような遅延の問題は、ネットワークカメラシステムの基本的な構造上の課題ともいえますが、最小限に抑えるための対策もあります。
高速なインターネット回線の利用、有線接続の優先、また映像の解像度を適度に下げることにより、転送するデータ量を減らし、遅延の影響を低減することができます。
まとめ
ネットワークカメラの定義や仕組み、メリット・デメリットについてお伝えしましたが、いかがでしたか。
ネットワークカメラは、設置に手間がかからない、映像が劣化しない、遠隔操作できるなどアナログカメラにはない多くの優位性があります。しかし、導入コストが割高となるのが導入をためらわせる要因として存在してきました。
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