入退室管理の必要性とは?メリット・認証システムの種類も解説
勤怠管理
入退室管理は、いつ・誰が・どこに入室していたのかを記録するものです。セキュリティ対策のために行うのは容易に想像できますが、他にはどのような必要性があるのでしょうか。
本記事では、入退室管理の必要性や入退室管理システムの導入メリット、またさまざまな認証方法について解説します。
この記事の目次
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入退室管理とは
入退室管理とは、オフィスや学校、病院などの施設で人の出入りを記録することです。施設の入口や窓口などで台帳に手書きをするアナログな方法のほか、入退室管理システムもあります。
入退室管理システムと聞くと馴染みがないと感じるかもしれませんが、オフィスの入口で入館証をかざす入館システムや交通系ICカードを読み取る駅の自動改札機など、身近なところでも入退室管理システムは導入されているのです。
こうした入退室管理は、セキュリティの向上や施設利用の追跡、緊急時の安全確保などを目的として行われます。
オフィスにおける入退室管理の必要性とは
プライバシーマーク(Pマーク)やISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証を取得するためには、入退室管理が適切に行われていることが問われます。
プライバシーマークとは個人情報の取り扱いを評価するもので、ISMSとは情報セキュリティに関する一定の要件を求めるものです。これらの認証を取得することにより、事業者は個人情報や情報セキュリティに配慮した事業を行っていることを証明できます。
このように入退室管理の重要性は、ますます高まっているのです。
セキュリティ対策
入退室管理は、不正侵入や窃盗などの犯罪行為を防止し、施設内の安全を確保する役割を果たします。
入退室管理をすることで特定のエリアへのアクセスを制限できるため、アクセス権限がない人物がセキュリティに厳しいエリアに侵入することは困難となります。
また、認証された個人のみが重要情報や貴重品が保管されている場所にアクセスできるようにすることで、盗難やその他のセキュリティ違反が発生した際、迅速に状況を把握することも可能です。
さらに、入退室管理を行っているということ自体が、不正行為や犯罪の抑止力となるでしょう。
個人情報保護法の遵守
個人情報の保護に関する情報(個人情報保護法)では、第23条「安全管理措置」として、以下のように規定されています。
個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失又は毀損の防止その他の個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。
より具体的には、個人情報保護委員会のガイドラインの中で「物理的安全管理措置」次のように定められています。
- 個人データを取り扱う区域の管理
- 機器及び電子媒体等の盗難等の防止
- 電子媒体等を持ち運ぶ場合の漏えい等の防止
- 個人データの削除及び機器、電子媒体等の廃棄
このような法令により、企業における入退室管理の必要性が高まったのです。
内部の不正防止
企業が保有する情報は、多くの場合、オフィス内のサーバーに保管されています。近年ではクラウドサービスの普及により外部ストレージに格納している場合も増えていますが、自社保有しているケースも一般的です。
サーバーには機密情報や個人情報などの情報が含まれているため、サーバー室への入室は管理者のみに限定し、一般の従業員が容易にアクセスできないよう入退室を制限する必要があります。
このように秘匿性の高い情報が保管されている区画への入退室を管理することにより、内部不正による情報漏えいを防止することができます。
入退室管理システムを導入するメリット
入退室管理を効率的に行う方法として、入退室管理システムがあります。システム導入することにより、手間いらずできめ細かな入退室管理が実現します。
不法侵入の防止
企業には従業員のほかにも取引先相手や清掃員、警備員などさまざまな人が出入りしており、部外者による不法侵入のリスクにさらされています。
入退室管理システムでは、ICカード認証や生体認証などによりアクセスを許可されていない部外者の入室を効果的に防ぐことができます。
同時に防犯カメラも設置しておけば、1度の認証で複数人が入室する、いわゆる「共連れ」も防げるため、より堅牢なシステムとすることができるでしょう。
正確な勤怠管理
入退室管理システムがあれば、誰がいつ入退室をしたのかの追跡ができるため、勤怠管理に活用することができます。
誰が、いつ、どの区画にいたか、何時から何時まで滞在していたのかが記録されることにより、タイムカードの打刻漏れなど問題が発生した場合でも、入退室管理システムを通じて勤務時間を明らかにできます。
そもそもタイムカードそのものと同じ役割を担わせることができるため、入退室管理システムにより正確な勤怠管理が実現できるでしょう。
コストの削減
従来、入退室管理は入口などに警備員などの人員を配置することにより行われてきました。多くの場合、紙の台帳に氏名・入退室時刻・目的などを記入させることにより管理する手法が採られます。
しかし、このような方法では警備員の人件費がかかる上に、記入漏れや不正確な時刻の記入など確実な入退室管理を行えません。
入退室管理システムなら、警備員の配置よりもコストを削減しつつ、ICカードや生体認証による高精度な管理が可能になり、管理コストも減らせるでしょう。
入退室管理システムの認証方法の種類
入退室管理システムの認証方法は、以下のようなものが主流です。
- ・認証番号
- ・スマートフォン
- ・ICカード
- ・生体認証
これらについて説明します。
暗証番号
暗証番号を入力するのは「テンキー方式」といい、出入り口に設置されたテンキーを使って暗証番号(0から9の10個の数字)を入力する方式です。
テンキー方式は比較的簡単に導入できるため、初期費用・運用費用を抑えることができます。
しかし、シンプルな管理方式で入退室ログを残すことはできず、また暗証番号が流出すれば容易に部外者の侵入を許してしまうことになりかねません。
スマートフォン
スマートフォンによる認証は、専用アプリをインストールしたスマートフォンをリーダーにかざして施錠するシステムです。
スマートフォンさえ持っていれば、別にICカードなどを発行する必要がなく手間や紛失のリスクがなくなります。また、スマートフォン・リーダー間の通信は暗号化されているため、セキュリティ面も安心です。
ただし、スマートフォンのバッテリー切れで入退室できなくなる可能性があるため、その点には注意が必要です。
ICカード
ICカードによる認証は、リーダーにカードをかざすことでICチップの情報が読み取られて施錠できるシステムです。ICカードと社員証を兼用するケースもよく見られます。
ICカード1枚さえあれば手軽に入退室が行えますが、軽くて小さなカードは紛失や盗難のリスクが高まります。ICカード認証を導入する際は、このようなリスクに備えておくことも必要でしょう。
生体認証
生体認証には、指紋認証や顔認証、静脈認証などの種類があります。人間の身体的特徴を利用して認証を行う方式は、バイオメトリクス認証とも呼ばれています。
生体認証による入退室管理は、その人物固有の生体情報を使った認証方法のためセキュリティ性が高く、またスマートフォンやICカードを持ち歩く手間も不要であるため、メリットの大きな方法です。
ただし、生体情報を読み込むための専用機器を導入する必要があり、導入コストが膨らむ点がデメリットといえるでしょう。
まとめ
本記事では、さまざまな人が出入りする企業に不可欠な入退室管理の必要性について解説しました。
入退室管理システムの導入によって、外部の脅威から施設を守るだけでなく、個人情報の保護という法的要件も満たすことができます。さらに、このシステムは労務管理の正確性を高め、人件費削済のための戦略的なツールとしても機能します。
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