確定申告で間違いがあっても指摘されない?修正方法を解説
記帳代行
確定申告で間違いがあっても、必ずしもすぐに指摘されるわけではありません。重要なのは間違いに気づいた際に、早い段階で修正をすることです。
本記事では、確定申告の間違いを修正する方法や関連するペナルティについて解説します。
この記事の目次
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確定申告で間違いがあっても指摘されない?
確定申告の間違いは、指摘される場合とそうでない場合があります。多くの確定申告書から誤りを見つけるのは容易ではないため、必ず指摘されるわけではありません。
間違いを必ずしも指摘されるわけではない
確定申告の内容に誤りがあっても、直ちに税務署から指摘されるわけではありません。所得金額の多寡や控除の種類に間違いがあっても、一目で気づけるわけではないからです。
所得金額の桁が明らかに誤っているなどの明確な間違いがあれば簡易チェックの段階で明らかになり、税務署から指摘される可能性はありますが、そのような事例以外では間違いに気づくことが難しいでしょう。
また、間違って本来の税額よりも多く申告し、納税をした場合に、税務署から間違いを指摘されることはありません。自分で間違いに気づいて還付の申請をしなければ、税金を多く修め過ぎた状態のままになるため、注意が必要です。
税務調査が行われる場合は事前連絡がくる
税務調査とは、申告内容に間違いがないかを確認するための調査であり、税務調査が行われることが決まった場合には事前通知が行われます。
税務調査の主な目的は2つに分けられ、ひとつは脱税など悪質な不正を是正するためであり、もうひとつは法令遵守に向けた定期的な調査のためです。後者の場合、適切に申告されているか確認するのが目的であるため、確定申告が間違っている人だけでなく適切に申告している個人や法人が対象になることもあります。
確定申告で間違いがあれば指摘される前に修正する
確定申告の内容に間違いがあると判明すれば、指摘される前に自ら修正するのが良いです。修正には以下のように3つの方法があります。
- 訂正申告
- 更生の請求
- 修正申告
それぞれどのようなときに行うのか説明します。
訂正申告
訂正申告とは、確定申告の期限内に間違いに気づき、修正をする方法です。所得税に関する確定申告の期限は、2月16日から3月15日(土日祝の場合は翌平日)であり、この期間中に修正をするのが訂正申告です。
税務署では、確定申告の期限内に2つ以上の申告書が同一人物から提出された場合、新しいほうを正式な申告書として取り扱います。期限内に誤りがあったことに気づけば、新しい申告書を作成して提出しましょう。
更正の請求
確定申告の期限を過ぎてから、税金を多く支払い過ぎていたことに気づいた場合に行うのが、更正の請求です。更生の請求を行うには「所得税及び復興特別所得税の更正の請求書」を作成して税務署に提出する必要があります。
更正の請求は、申告をし直す申告期限から5年間です。例えば、2023年分の申告を修正する場合は、2024年3月15日から5年以内という計算になります。
修正申告
修正申告とは、本来支払うべき税額より少ない額を納付した場合に行うものです。修正申告に明確な期限はありませんが、間違いに気づけば速やかに修正するのが大切です。
納めるべき税額を上回っている状況とは異なり、放置しておくのは望ましくありません。
修正申告で不足分の税金を支払うのが遅れるほど、延滞税も課せられることになるため、1日でも早い修正申告が求められます。
確定申告の間違いに課される可能性のあるペナルティ
確定申告を間違った際のペナルティとして課される加算税について説明します。加算税には以下の種類があります。
- 過少申告加算税
- 無申告加算税
- 重加算税
- 延滞税
それぞれ理解し、このような加算税が課せられないようにしましょう。また、間違いがあっても速やかに修正することが大切です。
過少申告には過少申告加算税
過少申告加算税は、確定申告の内容に間違いがあったことを税務署から指摘されて修正する場合に課せられるペナルティです。つまり、自ら間違いに気づいて自主的に修正申告をした人には課せられません。
過少申告加算税は、本来納付すべき税金との差額を納める際、その10%にあたる額がプラスされます。
過少申告加算税のような「加算税」は、申告義務が適正に履行されない場合に課され、行政制裁のような意味合いがあります。
無申告には無申告加算税
確定申告を忘れて申告期限を過ぎ、期限後申告をする際に課されるのが無申告加算税です。副業で確定申告が必要であるにもかかわらず、行なっていないケースがよく見受けられます。確定申告が必要ないと思っていた、知らなかったという理由は通用しません。
無申告加算税は、本来納付すべき税額に対して課されます。無申告加算税の税額は、納付すべき税額に対して50万円までの部分は15%、50万円を超える部分は20%となります。
悪質な脱税には重加算税
重加算税は、帳簿の隠蔽や虚偽記載など意図的な脱税を図った場合に課せられる加算税です。重加算税は、本来納付すべき税額に対して40%という重い割合が適用されます。
また、無申告を繰り返す場合には50%の税率が適用されることもあります。
所得隠しや申告内容の改ざんなど脱税行為は、決して行わないようにしましょう。
遅延に応じた延滞税
確定申告の提出期限を過ぎてから税金が未納であることが発覚すると、延滞税が発生します。延滞税は、納付期限の翌日から2か月までは年2.5%、納付期限の翌日から2か月が経過した翌日以降は年8.8%の税率となります。
参考:国税庁「延滞税の割合」
確定申告のよくある間違い
確定申告で間違いやすい項目として、医療費控除とふるさと納税のワンストップ特例制度について解説します。
医療費控除の対象を正確に理解していない
医療費控除は確定申告をする人にとって利用頻度が高い所得控除ですが、対象となる医療費について正確に理解する必要があります。
例えば、以下のような費用は医療費控除の対象にはなりません。
- 美容医療
- 美容目的の歯科矯正
- 健康診断・人間ドック
- 自分で希望した場合の差額ベッド代
- 自家用車で通院したときのガソリン代・駐車場代
ただし、健康診断や人間ドックは、それに引き続いて保険診療が開始された場合、疾病の治療に必要な治療と見なされるため医療費控除の対象となります。
また、医療費控除の対象となる医療費は自己のために支払ったもののほか、「自己と生計を一にする配偶者やその他の親族」のために負担したものも含まれます。
同一生計と見なされるのは、同居しているほか、別居で生計を助けている場合も該当するのがポイントです。例えば、ひとり暮らしをしている子どもが親に仕送りをして生計を助けている場合、親のために支払った医療費も控除対象になります。
ふるさと納税のワンストップ特例を誤解している
ふるさと納税には、確定申告をしなくても寄付金控除が受けられるワンストップ特例制度がありますが、これは確定申告が必要な人には適用されません。
会社員で確定申告が必要ない人は、申請書に必要事項を記入して寄付をする自治体に送ることでワンストップ特例制度を利用できます。
しかし、自営業者やフリーランスの場合、寄付金控除として自分で申告する必要があるのです。しっかりと確定申告で申告しなければ、寄付した分で節税効果を得られなくなってしまいます。
まとめ
本記事では、確定申告の間違いは指摘されないのかというテーマについて解説しました。確定申告で、軽微なものも含めて全ての間違いを発見することは不可能であり、必ずしも指摘されるわけではありません。
ただし、間違いに気づいた場合は速やかに修正をするのが大切です。税金を払いすぎていたならともかく、不足していた場合には支払いが遅くなるほど延滞税が発生します。また、税務調査の可能性もあります。
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