「MacかWindowsでは、どっちが仕事に使えるの？」
社内への業務用パソコンの導入や、個人でのパソコン買い替えにおいて、MacとWindowsとどちらを購入するべきかは、悩みどころのひとつになりやすいです。
しかし、両者を使用したことがない人にとっては、それぞれの強み・弱みが分かりません。
そこで、本記事ではMacとWindowsを仕事で使用するなら、どちらが向いているのかについて解説しました。
前半では費用・デザイン・操作性など主な違いについて説明し、後半ではそれぞれがおすすめなケースについて説明します。
MacとWindowsではどっちが仕事向き？
MacとWindowsのどちらが仕事向きかという議論は、ユーザーのニーズに大きく依存します。
一般的に、Windowsはその汎用性とコストパフォーマンスに強みがあります。複数のメーカーから多彩な特色・価格帯の製品がリリースされているため、費用を抑えつつも、さまざまな用途に合わせた幅広い選択肢があります。
一方で、Macはデザイン性の高さと高性能さに加え、他のAppleデバイスとのシームレスな連携機能がセールスポイントです。
ビジネスシーンでiPhoneやiPadなどを使用している場合、それらとMacでは、ファイルの同期・やりとりがスムーズであること、アプリケーションのユーザーインターフェースや操作性に共通点が多いことなどから、仕事の生産性を高めるのに役立ちます。
このような、Appleのエコシステム内での作業効率化は、Macを仕事用として選ぶ大きな理由のひとつです。
操作性については、MacとWindowsの間には、確かに違いがありますが、ユーザーが使用を開始してから短期間で慣れることができる範囲のものですでしょう。
キーボードの配置やショートカット、トラックパッドの使い方などに違いはあるものの、基本的な仕事の進め方においてはどちらのOSも有効に機能します。
以上のように、MacとWindowsのどちらが仕事向きかということは一概にいえませんが、Windowsはコストパフォーマンスの高さから、多くのビジネスユーザーにとって選ばれやすいでしょう。
これと対照的に、MacはApple製品間の互換性と統一されたデザイン、操作性によって、特定の業務やAppleのエコシステムを最大限に活用したいユーザーに適しているといえます。
MacとWindowsの違い
MacとWindowsの違いについて、以下の観点から説明します。
- 費用
- デザイン
- 操作性
- ディスプレイ
- 拡張性
- セキュリティ
これら6つを押さえておけば、両者の主な違いが理解でき、個人のユーザーによるパソコン購入に加え、社内の業務用パソコンを選ぶ際のヒントになるでしょう。
費用
MacとWindowsを費用で比較すると、より低予算で購入できるのはWindowsです。
Macの販売元はApple社のみであり、Appleの製品価格設定は固定されていることが多く、同一機種間での価格比較や値引きを期待することは難しいです。
Appleは製品の品質やデザインの統一性を重視し、それらを維持するために一定の価格設定を保っています。そのため、Macは高品質ながらも価格がやや高めに設定されているのです。
一方、Windowsは複数のメーカーから販売されており、それぞれが異なる価格帯で製品をリリースしています。
そのため、ユーザーは同じようなスペックの中から価格やその他の特徴を比較し、自分に最適な製品を選ぶことができ、結果として初期費用を下げやすいといえるのです。
また、Windowsは「BTO（Build to Order）」という選択肢もあります。
BTOとは受注生産のことで、自分のニーズに合わせてスペックや必要なアプリケーションを必要最低限にするなどのオーダーもできるため、市販されている既製品のパソコンよりさらに費用を抑えることができます。
このように、費用を抑えて低価格で購入したい場合には、Windowsのほうが適しているといえるでしょう。
デザイン
Macはシンプルかつスタイリッシュなデザインを採用しており、ブランドを示すリンゴのアイコンは世界中の多くの人から愛されています。
Appleは機能性と美学のバランスを重視し、製品の使いやすさを高めながらもハイセンスなビジュアルを実現しています。Macがプロフェッショナルな環境やデザイン意識の高いユーザーの間で特に評価されるのは、そのためです。
一方で、Windowsは複数のメーカーから販売されており、メーカーごとに異なるデザインのパソコンが存在します。
Macと同じくスタイリッシュなデザインのパソコンもあれば、耐衝撃性に特化した、やや無骨なデザインのパソコン、カラフルな配色と独特のデザイン要素を取り入れたゲーミングPCなど、多岐にわたる選択肢があります。
このように、MacとWindowsのデザインには、明確な違いがあるといえるでしょう。
操作性
Macの大きな特徴のひとつとして、トラックパッドが挙げられます。
トラックパッドは、別途マウスを必要とせず、指だけでクリックやカーソル移動などの操作ができます。
タップやクリックなど基本操作はもちろん、2本指で左右にスワイプ、3本指で上下にスワイプなどさまざまなジェスチャーの設定も可能です。
加えて、iPhoneやiPadなどApple製品同士ならファイルの受け渡しや同期に強みがあるのもMacの強みといえます。
このような点を比較すると、多くのWindowsではマウスを必要とすること、デバイス間の同期・連携がApple製品ほど容易ではないことなどから、操作性ではMacに水をあけられているという見方もできるかもしれません。
キーボード
MacとWindowsのキーボードには違いがあります。
以下は、Windows用キーボードにはあって、Macにはないキーです。
- Delete
- Home
- End
- Windows
- Alt
- カタカナ/ひらがな/ローマ字
- 無変換
逆にMacにはあって、Windowsにはないキーとして「command」が挙げられます。
このようなキーボードの違いがあるため、元々、Windowsのキーボードに慣れ親しんだ人がMacに乗り換えると、はじめのうちは戸惑いを覚え、扱いづらいと感じるかもしれません。
しかし、Macでは購入時に日本語以外のキーボードも選ぶことができ、特に日本語入力をしない場合、キーの表記がアルファベットのみでスッキリした英語キーボードに変更できるメリットがあります。
ディスプレイ
Macのディスプレイは、その高品質な画面表示で知られています。
特にフォントのクリアさや読みやすさでは、定評があります。AppleのRetinaディスプレイは高解像度で、画素が目に見えないほど細かく、テキストが美しく鮮やかに表示されるのです。
色の再現性や発色の良さについても、業界内で高い評価を得ています。
Macは鮮やかで精巧な色合を表現でき、多くのデザイナーやフォトグラファーなどのプロフェッショナルがMacを仕事用パソコンとして選択しています。
一方で、Windowsはさまざまなメーカーからリリースされているため、ディスプレイの品質も製品によって異なり、一概に良い悪いとはいえません。
高品質なディスプレイを搭載したハイエンドモデルも存在し、Macのディスプレイに匹敵するかそれ以上の品質のものも存在します。
ただし、全体として見た場合、特に事務作業など業務用途のパソコンは、ディスプレイ機能が重視されていないため、Macと比べると相対的に見劣りする品質のディスプレイが多いといえるかもしれません。
拡張性
拡張性の高さでは、Windowsに軍配が上がります。Windowsでは、パソコン購入後でもメモリやストレージ（HDD・SSD）を増設するなど、ユーザーが自分好みにパソコンをカスタムしやすいのです。
パソコンを購入する際は費用を抑えつつ、使用環境・用途が変わってもハードウェアのアップデートができるため、長期間にわたって使用がしやすいといえます。
これとは対照的に、Macでは基本的にユーザー自身でメモリやストレージの増設ができません。購入時に決定したスペックを、後からアップグレードするということができないのです。
そのため、購入時にストレージ容量の小さいスペックを選択すると、長期間パソコンを使用しているうちに空き容量が少なくなり、外付けのHDDやSSDを使用せざるを得なくなる、あるいはパソコンそのものを買い替えなければならなくなるなどの問題に直面しがちです。
Macのこのような仕様は、Appleが製品の薄型化や統一性を重視する設計哲学ともいえますが、結果として購入後の拡張性は制限されます。
Macがおすすめなケース
スペックの比較や選定に多くの時間を割きたくない場合、Macは良い選択肢となります。
Macは、スペック上で問題があるものはほとんどなく、どのモデルも高品質で信頼性が高いです。したがって、コストパフォーマンスよりも選定の手間を省きたい場合や、確実に品質の高い製品を手に入れたい場合にMacは間違いない選択といえるでしょう。
また、既にApple製品を利用しているユーザーにとっては、Macは心強い味方になります。
iPhoneやiPadなどのApple製品との高い互換性とシームレスな連携は、業務効率化において大きなメリットとなるはずです。Appleのエコシステム内で作業を行う場合、Macはその便利さを最大限に活かすことができます。
さらに、Webデザインや映像制作、音楽制作などの業界では、従来からMacが好んで使用されています。
このような業界で活動する際には、ファイルの互換性や業界内での共通の作業フローを考慮すると、Macを使用することが推奨される場合が多いです。
Windowsがおすすめなケース
Windowsは、世界でも国内でもそのシェアは70%を超えるとされています。
ビジネス全般においてWindowsは広く普及しており、文書やプレゼンテーション資料の共有が頻繁に行われる中で、Windows間での互換性が高いことは、スムーズなコミュニケーションを保証します。
Microsoft Officeなどのアプリケーションを使用する際、Wordの文書やPowerPointのプレゼンテーションで作成された資料は、Windows上で作成、編集されることが多いです。
このようなファイルをMacとWindows間で共有する場合、フォーマットの不整合や表示のズレなど、互換性の問題により意図しない齟齬が発生する可能性がありますが、Windows同士なら心配はありません。
また、コストパフォーマンスやカスタマイズ性を重視するユーザーにとっても、Windowsは都合が良いです。
多くのメーカーからさまざまなスペックや価格帯のパソコンが提供されているため、予算や使用目的に応じて最適な製品を選ぶことができます。
加えて、ハードウェアのアップグレードや拡張のしやすさは、長期的な使用をする上でもメリットとなるでしょう。
まとめ
MacとWindowsはどちらが仕事向きなのか、解説してきました。
主な違いは、以下の項目です。
- 費用
- デザイン
- 操作性
- キーボード
- ディスプレイ
- 拡張性
これらに関して、MacとWindowsでは顕著な違いが見られるといえます。
仕事で利用する際、ほかにApple製品を多く使用しているならMacが有利です。Macとその他のApple製品との連携機能は強力で、作業効率を大幅に向上できるでしょう。また、クリエイティブ関連の仕事にもMacは適しています。
一方で、一般的なバックオフィス業務などで事足り、それ以外に特別な用途がないのであれば、Windowsがおすすめです。予算に合わせて費用を抑えつつ、長期間にわたって汎用性の高い使用ができます。
ユーザーが多ければ、それだけトラブル時の情報も多いため、パソコンに詳しくない人でも扱いやすいでしょう。
