「欠勤控除の計算方法がややこしくて分からない」
「テレワークを導入して、欠勤控除の計算が今まで以上にややこしくなってしまった」
「欠勤控除の計算をもっと簡略化したい」
そもそも、欠勤控除という言葉自体をあまり聞き慣れない方もいらっしゃるかもしれませんが、
おそらくほとんどの方は過去に体調不良で会社を休んだり遅刻をしたことがあるかと思います。
この時に適用される控除が「欠勤控除」です。
控除となる金額は、基本的に月給を基に算出されるのですが、
「勤務形態の変化」や「控除の対象外となる手当」など計算が複雑化しており、
欠勤控除の計算方法に頭を悩ませている方は多いのではないかと思います。
今回の記事では、欠勤控除の基本的な計算方法を紹介したうえで、欠勤控除を含む勤怠管理や給与計算を助けてくれるツールを紹介します。
欠勤控除の計算方法について解説する前に、そもそも欠勤控除とは何か?といった点を押さえておきましょう。
というのも、欠勤控除の対象や社員への周知についての不備や誤りがあると、例え計算方法が正しくても後からトラブルになってしまうリスクがあるためです。
トラブルを未然に防止するために、原則を把握することは非常に大切です。
欠勤控除の必要性を認識するうえで、絶対に把握しておかなければならないのは、ノーワークノーペイの原則です。
ノーワークノーペイの原則は、以下の2つの条文が根拠とされています。
労働契約法第6条:
労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。
民法624条:
労働者は、その約した労働を終わった後でなければ、報酬を請求することができない。
つまり、社員は会社に対して労働をする代わりに賃金を得ることができるという原則があるため、仕事をするべき時に休んだ場合には賃金を得られないという事です。
ノーワークノーペイの原則に基づき、欠勤分を給与から差し引かれることを欠勤控除と言います。
月給制や年俸制の給与体系で雇用契約を結んでいる社員の場合、基本給として給料が固定されていますが、欠勤控除の対象になる場合には基本給から欠勤分がマイナスされることがあります。
なお、賃金と給与時間は、就業規則に記載しなければなりません。
また、どのような場合にどのような計算方法で欠勤控除の計算をおこなうかを就業規則に具体的に明記する必要があります。
万が一条件に具体性を欠いていた場合には、トラブルになる可能性があるため、注意が必要です。
就業規則でどのように欠勤控除を明記すべきか悩んでいる方は、厚生労働省が提供している「モデル就業規則について」を参考にすることをおすすめします。
欠勤控除には例外があります。
出勤日に休暇を取った場合の全てが欠勤控除の対象になるわけではありません。
欠勤控除の例外になるケースとして、次のような例が挙げられます。
・有給休暇
・会社都合の休暇(会社都合で給料が入らない場合など)
労働基準法第26条では、「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は休業期間中、当該労働者に対し、その平均賃金の6割以上の手当を支払わなければならない」と定めており、労働者に休業手当を支払う責任があります。
一方で、大型台風などの自然災害や公共交通機関の運休などの事情で出社が出来なかった場合には、使用者の責任とはならないため欠勤控除の対象になります。
このように、企業側が社員に対して与えている、あるいは休むべきと判断した場合にのみ、欠勤控除の例外になるのです。
ただし、労使間で個別に契約を結ぶことは可能です。
欠勤控除が適用される給与携帯は、次の通りです。
・月給制
・年俸制
反対に適用されないのは、次の給与体系です。
・時給・日給・・・仕事を休んだ分はそのまま支払い対象外になるため、そもそも控除の適用がありません。
・完全月給制・・・出勤時間に関係なく固定の月給が決まっている雇用体系であるため、出勤時間が減っても給与には影響しません。
この章では、原則を踏まえ一般的な欠勤控除の計算方法について解説します。
ただし、個々の条件については、労働基準法などの法律の範囲内であることを条件に、就業規則にて規定する条件が優先されます。
従って、一つの目安としてチェックしてください。
欠勤控除の基本的な計算方法は、以下の通りです。
①本来出勤すべき日数から1日あたりの給与を計算して、1日あたりの支給額を算出します
②1日あたりの支給額×欠勤日数を計算します
③支給額から、②で計算した欠勤控除額をマイナスします
休日の日数が多いときなどに、社会保険などの相殺分で月給がマイナスになってしまうケースが考えられますが、そのようなケースではマイナスにならないよう調整するのが一般的です。
1日あたりの支給額を計算する際に、金額の算出方法がいくつかあります。
特に、決まりがあるわけではないので、企業は合理的であれば自由に計算方法を選ぶことができます。
よく利用されるのは、以下の4つの計算方法です。
(1)月給額/年平均の月所定労働日数×欠勤日数
(2)月給額/該当月(一賃金計算期間)の所定労働日数×欠勤日数
(3)月給額/年平均の歴日数×欠勤日数
(4)月給額/該当月(一賃金計算期間)の歴日数(28日・29日・30日・31日)×欠勤日数
これらの中で特によく用いられるのは(1)の計算方法です。
(1)の方法であれば、1年間同じ計算式が利用できるため、欠勤控除をおこなううえでとても効率的です。
原則として、欠勤を残業や休日出勤と相殺することはできません。
従って、欠勤控除分を基本給からマイナスしたうえで、残業分を加算する形を取ります。
ただし、フレックスタイム制の給与体系を取っているケースでは、月トータルで労働時間を集計するため、コアタイムを除けばそもそも欠勤控除が適用されません。
従って、フレックスタイム制のコアタイム以外であれば、社員が元々出社しようと思っていた日に何らかの事情があり出社が出来なかった時、代替の日程にて勤務をすることでそのまま相殺できる場合があります。
欠勤控除の基本的な考え方や計算方法はそれほど複雑な内容ではありませんが、個別のケースに当てはめて考えると複雑な計算を伴うケースが珍しくありません。
そもそも社員の雇用条件は一人ひとり異なっています。
みなし残業制度を採用しているケースや、テレワークを導入しているケースなどでは、労働時間・残業時間・休憩時間の把握自体が難しいというケースもあるでしょう。
このような状況下で正しく欠勤控除をおこなうためには、正確な勤怠管理をおこなうこと、さらに給与計算システムなどとの連携をおこなうことが効果的です。
勤怠管理は2019年の法律改正により義務付けされているという事情もあり、多くの労務担当者がいかに正確に労務管理をおこなうべきかについて悩んでいます。
そこでおすすめしたいツールの一つが「VWS勤怠」です。
「VWS勤怠」を利用すると、社員がスマホをタップするだけで出退勤を管理できます。
給与計算システムとの連携も可能なので、シンプルな操作で欠勤控除の計算もスムーズにおこなうことができます。
一言にまとめると、勤怠管理ツールをうまく活用することで、複雑な欠勤控除を含む勤怠管理の計算を自動化することができます。
欠勤控除は、複雑な給与計算の一つです。
法的なルールに則り、後々のトラブルを防ぐためには、欠勤控除の条件を正しく把握して就業規則などに適用条件や計算方法について明記をする必要があります。
欠勤控除の正確な管理を難しくしている要因として、テレワークの推進など働き方の多様化が挙げられます。
しかしながら、利便性の高いツールを導入することで、さまざまな雇用形態にも自動的に適用して、給与計算業務の効率化と正確性の向上を実現することが可能です。
「VWS勤怠」のツールは、安価で使いやすく、高い実績を誇っているという点でとてもおすすめです。
ぜひお気軽にお問い合わせください。