電子契約のメリット8選!仕組み・法律・導入まで“今さら聞けない疑問を解消

電子契約

紙の契約書は、印刷・押印・郵送といった煩雑な作業がつきもので、時間もコストもかかります。近年、こうした課題を解決する手段として注目されているのが電子契約です。

 

コスト削減や業務効率化だけでなく、コンプライアンス強化やテレワーク対応にも効果的で、企業にとって新たなスタンダードになりつつあります。

 

本記事では、電子契約のメリットを中心に、デメリットや導入手順、具体的なサービスまで分かりやすく解説します。

 

この記事の目次
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そもそも電子契約とは?紙の契約との違いを解説

紙の契約書を前に説明するビジネスシーン、電子契約との違いの説明


電子契約とは、契約書の作成・署名・保管までを全てデジタル上で完結させる仕組みのことを指します。紙を使わず、クラウド上で契約を締結できるため、物理的な書類のやり取りや押印、郵送といった手間が不要になります。

 

一方、紙の契約では、署名や押印を行うために印刷・捺印・郵送・回収など多くの工程が必要です。印紙税の負担や保管スペースの確保といったコスト面の課題も避けられません。対して電子契約は、作業の効率化やコスト削減に加え、法的にも有効とされています。

 

近年では法整備も進み、多くの契約が電子的に締結できるようになっています。業務のスピード化やリモート対応が求められる今、電子契約は企業のスタンダードになりつつあるといえるでしょう。

 

合わせて読みたい【電子契約とは?】概要・メリット・デメリットをわかりやすく解説!

一目でわかる!電子契約のメリット・デメリット

前述のように、電子契約は紙の契約に比べて多くのメリットがありますが、万能というわけではありません。導入前にメリットだけでなくデメリットも正しく理解し、後から困らないようにしましょう。

 

以下では、電子契約の代表的なメリット・デメリットを一覧形式で整理しました。具体的な内容や背景については、後続の各パートで詳しく解説していきます。全体像をつかむ意味でも、まずはこの一覧からご覧ください。

 

電子契約のメリットはこちらです。

 

メリット

内包

コスト削減

収入印紙・印刷・郵送・人件費の削減

契約スピード向上

対面不要・即日締結が可能

業務効率化

手作業・紙の管理から解放

コンプライアンス強化

内部統制・証跡管理がしやすい

テレワーク対応

場所を問わず契約手続きが可能

保管性・検索性向上

クラウドで一元管理・検索も容易

セキュリティ強化

改ざん防止・アクセス制限が可能

顧客体験の向上

スムーズな締結フローで印象改善

 

次に、デメリットです。

 

デメリット

内容

導入・運用コスト

システム利用料・導入準備の手間

取引先の理解

取引先によっては紙を希望されることも

非対応契約の存在

一部の契約は電子化が認められていない

業務フロー変更の必要性

社内運用の見直しや教育が必要

 

では、それぞれの項目についてより具体的に紹介していきます。

電子契約導入の8つのメリット

ペンで電子サインを行う手元と契約書のイラスト
電子契約の導入は、単に紙をデジタルに置き換えるだけではありません。コスト、スピード、業務プロセス、そしてガバナンスに至るまで、企業の契約業務を幅広く変革します。ここでは、その具体的な8つのメリットを一つひとつ詳しく見ていきましょう。

① コスト削減(収入印紙・郵送費・人件費)

電子契約に移行することで、これまで当たり前だったさまざまなコストが不要になります。最も大きな効果は、課税文書に貼付していた収入印紙代が不要になる点でしょう。高額な契約では、これだけで数万円単位のコストが削減できます。

 

また、契約書を送付するための郵送費(レターパック代など)や、印刷・製本・封筒代といった物理的な費用も一切かかりません。

 

さらに、印刷・押印・封入・郵送・ファイリングといった一連の作業に費やされていた人件費という見えないコストも削減され、企業全体の経費圧縮に大きく貢献します。

② 契約締結スピードの向上

紙の契約では、印刷や押印、郵送、返送といった工程に早くても数日、長ければ1〜2週間かかることも珍しくありませんでした。このリードタイムの長さは、ビジネスチャンスの逸失に繋がるリスクもはらんでいます。

 

それに対して、電子契約では契約書ファイルをアップロードし、相手方に送信すれば、相手は内容を確認してクリックするだけ。最短1分で契約締結が完了するケースもあり、スピードが劇的に向上します。

 

こうした契約締結のスピードアップにより、サービス提供までの時間を短縮でき、円滑な取引開始が可能となります。ビジネスの競争が激化する現代において、このスピード感は大きな武器となるでしょう。

③ 契約業務の効率化

電子契約は、契約締結プロセスだけでなく、その前後の管理業務も大幅に効率化します。紙の契約書の場合、担当者は「相手はいつ捺印してくれるのか」「返送はまだか」と、手動で進捗を管理する必要がありました。

 

一方、電子契約サービスでは誰がいつ契約書を閲覧し、誰が署名済みで、誰が未対応か、その進捗状況がシステム上で一目瞭然です。署名依頼の自動リマインド機能を使えば、面倒な催促の連絡も不要になります。

 

契約書の作成から管理まで、一連の業務にかかる手間と時間が削減されることで、担当者はより付加価値の高いコア業務に集中できるようになります。

④ コンプライアンス強化

紙の契約書は、紛失や盗難、不正な持ち出しといったリスクが常に付きまといます。また、誰がいつ、どのようにその契約書を取り扱ったのか、その履歴を追うことは困難でした。

 

対して、電子契約では「誰が」「いつ」「何をしたか」という操作ログ(監査証跡)が記録として残ります。閲覧権限や編集権限を厳密に設定できるため、承認フローの徹底や不正アクセスの防止となり、内部統制が強化されます。

 

また、契約書のテンプレート機能を活用すれば、社内で承認された文面以外の契約が勝手に結ばれる「野良契約」を防ぐことも可能です。その結果、企業全体のコンプライアンス遵守とリスク管理体制が向上します。

⑤ テレワークなど多様な働き方への対応

働き方が多様化し、リモートワークやハイブリッド勤務が当たり前になった今、場所に縛られず契約手続きができる体制は欠かせません。紙の契約では、出社しての押印や郵送が必要になるため、在宅勤務と両立しにくいという課題がありました。

 

しかし、電子契約であれば、インターネット環境さえあれば、どこからでも契約の確認や締結が可能です。上司の承認もクラウド上で完結できるため、移動や対面の必要もなくなります。

 

柔軟な働き方を妨げず、社内外とのやり取りもスムーズ。業務の停滞を防ぐ上でも、有効な手段といえるでしょう。

⑥ 保管スペース不要と検索性の向上

紙の契約書は法律で定められた期間、物理的に保管する必要があり、キャビネットや書庫のスペースを圧迫します。契約書が増えれば、倉庫を借りるコストが発生することもありました。

 

電子契約を利用すれば、全てのデータがクラウド上に保管されるため、こうした保管スペースとコストは一切不要になります。

 

また、過去の契約書を探す手間も劇的に改善されます。紙の場合、目的の契約書を探し出すのに多大な時間がかかっていましたが、電子契約なら取引先名、契約日、金額などの条件で瞬時に検索できるのです。

 

必要な情報をいつでもすぐに見つけ出せるため、監査対応や取引内容の確認が円滑化し、業務全体の生産性が大きく向上します。

⑦ セキュリティ強化(紛失・改ざん・情報漏洩リスクの低減)

紙の契約書は、紛失や盗難のリスクに加え、意図しない持ち出しや改ざんといった情報漏洩のリスクも常に抱えています。電子契約は、このようなリスクを大幅に低減し、より強固なセキュリティ環境を構築します。

 

電子署名とタイムスタンプにより、契約締結後の改ざんは極めて困難です。また、データは暗号化されて安全なクラウドサーバーで管理され、閲覧権限を設定することで、承認された担当者以外は契約情報にアクセスできないように制限できます。

 

契約という企業の重要資産を、人的ミスや悪意ある第三者から守る。セキュリティ面においても、電子契約は紙の契約を上回るメリットを提供します。

⑧ 顧客体験の向上

電子契約は、自社だけでなく、契約相手である顧客や取引先にもメリットをもたらします。相手方も、印刷・押印・返送といった手間から解放され、よりスピーディーに契約を締結できるからです。

 

契約締結までのプロセスがスムーズであることは、「この会社は仕事が進めやすい」というポジティブな印象を与え、顧客満足度(CX)の向上に貢献します。

 

見過ごされがちですが、契約業務の効率化は、相手方への配慮にもなるのです。良好な取引関係を長期的に築いていく上でも、電子契約は重要な役割を果たします。

 

導入前に知るべき電子契約のデメリットと対策

赤いビックリマークのアイコンを拡大鏡で見る画像、電子契約のデメリットに関する説明
電子契約には多くの利点がありますが、導入をスムーズに進めるには、あらかじめ注意すべき点とその対処法を押さえておくことが求められます。導入時につまずきやすいポイントを理解しておけば、トラブルや混乱を未然に防げます。

 

ここでは、よくある課題と、それにどう向き合えばよいのかを見ていきましょう。

導入・運用コスト

電子契約サービスの利用には、初期費用や月額料金といったコストが発生します。これまで費用がかからなかった契約業務に新たな固定費が発生することを、デメリットと感じるかもしれません。

 

【対策】

まずは、現在かかっている印紙代・郵送費・人件費といった「紙のコスト」を算出し、導入後の費用対効果を明確にしましょう。まずはトライアルやミニマム契約からスタートし、自社に合ったプランを検証するのが現実的なアプローチとなります。

取引先の理解

自社が電子契約を導入しても、契約相手である取引先が対応してくれなければ利用は進みません。特に、長年紙の契約に慣れ親しんでいる企業からは、理解を得るのに時間がかかることがあります。

 

【対策】

相手方にとっても「郵送・返送の手間が省ける」「印紙代が不要になる」といったメリットがあることを、丁寧に説明する資料を用意しましょう。それでも難しい場合は、無理強いせず、その取引先とは紙の契約を併用するなど、フレキシブルに対応すると良いでしょう。

一部電子化できない契約書

現在の法律では、全ての契約書が電子化できるわけではありません。事業用定期借地契約など書面での交付が義務付けられている一部の契約は、電子契約の対象外となります(2025年現在)。

 

【対策】

自社で取り扱う契約書の中に、電子化できないものが含まれていないか、導入前に確認します。ほとんどの企業では該当しないケースが多いですが、特定の業種は注意が必要です。対象外の契約は、従来通り紙で管理する運用を続けましょう。

業務フローの変更・社内教育

新しいシステムを導入するということは、これまでの業務フローを変更し、社内の担当者に新しい操作方法を覚えてもらう必要があるということです。この変化への対応を、負担に感じることもあるでしょう。

 

【対策】

なるべくマニュアルなしでも直感的に使える、シンプルな操作性のサービスを選べば、教育の負担は少なくなります。また、いきなり全社で導入するのではなく、まずは特定の部署でスモールスタートし、そこで得た知見をもとにマニュアルを作成し、徐々に展開していく進め方が現実的です。

電子契約の法的効力は?

木槌と法廷のような会議の様子、電子契約の法的効力に関する話題
電子契約を導入する際に、多くの企業が気にするのが「本当に法的に有効なのか?」という点です。結論から言えば、適切な手順とサービスを用いれば、紙の契約書と同等の法的効力を持ちます。

 

日本では2001年に施行された「電子署名法(電子署名及び認証業務に関する法律)」により、一定の条件を満たした電子署名は、手書きの署名や押印と同じ法的効力を持つことが明記されています。具体的には、「本人が作成したことを示す」「改ざんされていないことを確認できる」などの要件が満たされていれば、証拠力が認められるのです。

 

現在主流のクラウド型電子契約サービスの多くは、電子署名とタイムスタンプ機能を備えており、これらの要件をクリアしています。加えて、通信の暗号化や操作ログの保存といったセキュリティ対策も講じられているため、契約の真正性や安全性も高い水準で担保されます。

 

合わせて読みたい電子契約の仕組みとは?書面契約と比べてどんなメリット・デメリットがあるか

電子契約サービスの導入手順

ノートPCでソフトウェアのインストールを進めている画面、電子契約の導入手順を示す画像
電子契約をうまく社内に根付かせるには、事前の準備と段階的な運用が鍵となります。まずは、以下の3ステップを押さえて、円滑な導入と定着を目指しましょう。

STEP 1:導入目的と対象範囲の明確化

まずは、コスト削減や業務効率化など、自社が電子契約を導入する目的を整理します。同時に、どの契約から電子化するかを決めておくと、混乱なく導入を進められます。

STEP 2:電子契約サービスの選定

目的に合ったサービスを比較検討し、必要な機能・予算・取引先との相性などを確認します。トライアルで実際の使用感を確かめておくと安心です。

STEP 3::社内規定の整備とスモールスタート

運用ルールを整えた上で、まずは一部の契約や部署から小さく始めます。現場の声をもとに改善を加えながら、全社導入へと広げていくのが理想的です。

初めての電子契約なら「リーガルサイン」がおすすめ

Legal Sign(リーガルサイン)のロゴ画像

数ある電子契約サービスの中でも、特にコストを抑えたい中小企業や、ITツールが苦手な方でも安心して導入できるのがリーガルサインです。なぜ多くの企業に選ばれるのか、その3つの理由を解説します。

月額料金内で全機能使い放題

リーガルサインの最大の特長は、月額制のシンプルな料金体系です。送信件数やユーザー数にかかわらず、全ての機能が追加料金なしで利用できます。契約数が増えても費用が跳ね上がる心配がなく、将来的な運用コストを見通しやすいのが大きな強みです。

 

電子契約の導入が初めての企業にとっては、費用感を把握しやすいことが導入のハードルを下げるポイントになります。

業種を問わない導入実績

リーガルサインは、業界・業種を問わず幅広い企業に導入されています。ITや物流、金融、小売といった各業界において、契約の種類や業務フローが異なる現場でも柔軟に対応可能です。

 

その理由のひとつは、誰でもすぐに操作できるインターフェースにあります。導入までのハードルが低く、初めての方でも迷わず使える点が、多くの現場で評価されています。

安心のサポート体制

ITツールの導入には不安がつきものですが、リーガルサインはユーザーが安心して利用できるサポート体制を整えています。リーガルサインでは、導入前の相談から運用中の不明点まで、全てのサポートを無料で提供しています。

 

管理者だけでなく、現場の担当者や従業員も、いつでも何度でもサポートの利用が可能です。新入社員向けの使い方説明や、拠点ごとの個別対応も行われています。

まとめ

電子契約は、業務の効率化やコスト削減にとどまらず、コンプライアンスの強化や顧客満足度の向上など、多方面で効果を発揮します。ただし、導入を成功させるには、事前の準備や社内体制の整備が欠かせません。

 

初めて電子契約の導入を検討している企業には、分かりやすく手厚いサポートが整ったリーガルサインがおすすめです。

 

リーガルサイン

 

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