ビジネスでは「ヒト・モノ・カネ・情報」が重要なリソース(資源)であるといわれます。
なかでも、ヒト=人材は継続的に企業が成長し反映するためには不可欠な要素です。
人材について考えるとき、優秀な人材を雇用・育成することと同時に離職防止にも重きを置く必要があります。
従業員の離職は、さまざまなトラブルやリスクの元凶になるためです。
この記事では、離職防止のデメリットをご紹介したうえで具体的な離職防止策の取り組み方や具体策について解説します。
社員の離職に関して課題を感じている経営者や人事担当者の方はぜひ参考にしてください。
社員の離職が目立ってきたときには、早期に対策を取らなくてはなりません。 スタッフの離職防止が止められないことの主なデメリットは以下のとおりです。
さらに、労働環境が悪い状態が継続し離職希望者が増えると、ブラック企業と評判が立つ可能性もあります。 ただでさえ、少子高齢化により労働人口が減少していることから、人材採用の難易度も高まっています。
状況が悪化すればするほど悪循環に陥るため、早期の対策を打つことが重要です。
離職防止のためにできる対策は、多数あります。 離職防止のために重要なことは、どのような方法があるのかを理解して自社の課題に適した対策を選択することです。
この章では、5つの離職防止策をご紹介します。
コミュニケーション不足は、離職をはじめとしたさまざまな問題を引き起こします。 例えば相談ができなかった結果、仕事のパフォーマンスが落ちてしまったり、個人的な悩みを相談できずに孤独感を感じてしまったりするなどのトラブルが生じます。
コミュニケーション活性化のために会社が取れる具体策は、以下のとおりです。
これらのコミュニケーション関連の対策は、離職防止だけではなくビジネスの効率化や質の向上にも効果ができます。
多様な価値観や状況を許容する就労環境の整備も重要です。
具体策は以下のとおりです。
上記の対策を整えることで、さまざまな境遇のスタッフがストレスを感じることなく仕事を続けられます。
待遇の改善(長時間労働の是正など)や基本給・賞与などの待遇の改善が必要なケースもあるかもしれません。
特に、業界の相場と比較をして水準が低い場合や仕事の負荷と評価が釣り合っていないように思われる場合は、従業員の不満が高まりやすいため要注意です。
また、評価制度の透明性・公平性も重要です。 給与の評価基準を社内で明確にして、すぐれた成果や努力が給与や賞与に反映されることを提示することで評価制度への納得感が高まるでしょう。
キャリアパスの提示とは、将来の自社でのポジションを明確にすることです。
例えば、営業部のメンバーとして成果をあげた社員には営業部や人事部のマネージャーのポストを与えたり、直属の部下を与えたりするなどです。 当然ですが、ポジションに見合った報酬を用意しなくてはなりません。
キャリアパスを提示することで、社員は現在の仕事を頑張ることに大きな意義を感じられるでしょう。
資格取得のための学習サポートや資格取得補助金を付与することで、学習へのモチベーションが高められます。 結果的に、社員は難易度の高い資格の取得や業務知識が身につくようになり、結果的に社内で頼られる存在になるでしょう。
スキルを高められる環境に身をおけることや、社員自身のビジネススキルが高まることにより、会社へのエンゲージメントも向上します。
離職防止策を実行する際に意識しなくてはならないのは、適切な手順です。 さまざまな手順が存在するなかで手順を誤ると、理想的な成果が得られないためです。 この章では、基本となる3つのステップをご紹介します。
最初におこなわなくてはならないのは、現状把握です。 特に、スタッフの離職という課題が顕在化している場合には、以下の点を追求する必要があります。
現状分析が正しくおこなわれなければ、どのような対策をとってもうまくいきません。
現状分析の結果に基づいて、具体的な取り組みをおこないます。
前章でご紹介した具体的な対策の中から、効果が高いと思われるものをいくつか選び、実行していきましょう。 ツールの導入や組織体制の変更など社内の根幹に影響する取り組みも多いため、経営陣が積極的にかじ取りをする姿勢が求められます。
具体策を実行したら、定期的に成果を確認します。 具体策は、スタッフにアンケートを取ったり、数値で測定したりして、成果を確認しながらおこなってください。 また、成果が芳しくない場合には、現状分析に戻って改めて効果的な対策を再び検討してください。
離職防止策を実施することは、会社が継続的に成長するためにとても重要なことです。
何も対策することなく離職者が次々と現れる状況を放置していると、自社にノウハウや技術が蓄積されず、競争力が劣る企業になります。
また、単に対策の種類を調べるだけではなく、対策の順番を意識することも重要です。 現状分析をしっかりとおこなって最適な対策を打ち、実施後に検証をおこなうことでより効果の高い対策となるでしょう。