海外と比べて日本の残業時間は長い?削減方法と考え方

働き方改革
勤怠管理

この記事では、海外企業と日本企業の従業員の残業時間を比較し、業務効率や生産性に関する課題を説明します。
また、海外企業の残業時間についての現状をふまえた上で、日本国内の企業がどのように残業時間を削減するかについても解説します。

近年はグローバル化が進み、日本企業も海外企業と直接競合する機会が増加しています。
その中で優位な立場に立つには、業務効率を向上し、生産性を高めなくてはなりません。

しかし、現在の日本は残業時間の多さや、働きすぎが問題とされています。
この課題を解決するには、もう一度問題点を確認する必要があります。

そこで、業務効率改善の観点から、海外企業と日本企業の残業時間を比較し、考察しました。
自社の業務効率改善にお役立てください。

この記事の目次


海外・日本の従業員の労働時間・残業の現状

以下の図は、2015年にOECD(経済協力開発機構)が調査した世界の労働時間を労働時間が長い順にランキング化したものです。
順位 国名 年間平均労働時間
1位 コロンビア 2,191時間
2位 コスタリカ 2,148時間
3位 メキシコ 2,140時間
4位 韓国 2,083時間
5位 チリ 1,994時間
6位 ギリシャ 1,935時間
7位 イスラエル 1,895時間
8位 ポーランド 1,862時間
9位 トルコ 1,811時間
10位 アメリカ 1,783時間
2015年OECD(経済協力開発機構)の調査による「Average annual hours actually worked per worker」対象国合計38カ国より参照

この資料での日本は、38カ国の中19番目で、平均労働時間1,719時間でした。
年間平均労働時間が2,000時間を超える国もあることを考えると、平均的な結果です。

しかし、この統計はパートタイムなど労働時間の短い人たちも統計の中に組み込まれているうえに、サービス残業は含まれていません。
正社員のみ・サービス残業込みで集計した場合、結果が変わる可能性があります。

日本の残業時間はなぜ海外よりも長い?


データ上では、日本の残業時間は世界の中では平均的です。
それにもかかわらず、日本の残業時間は海外よりも長いといわれます。

これは、複数の要因が絡み合い、残業が常にある状態の企業が多数作り出されているためです。
この状態を打破するには、日本の残業時間がなぜ長いのか・長く感じるのかを知らなくてはなりません。
日本の残業時間が長くなる原因を解説します。

2-1. 人手不足

国内企業の多くが人手不足に陥っています。
これは、業種に関係なく起こっている問題です。

人の力が不足した状態では、やるべき仕事を時間内に終わらせるのは難しいため、どうしても残業が発生します。
結果、多くの人が残業することになります。

一方、海外ではテレワークや時短勤務を積極的に取り入れることで、残業時間削減に取り組んでいる国が多いです。
日本でもテレワークや時短勤務を取り入れる企業や組織が増えていますが、現状は残業時間の課題解決には至っていません。

2-2. 業務効率化がされていない

海外では、電子化をはじめとした業務効率化対策が盛んにおこなわれています。

これらの国と比べると、日本はまだ効率化の対策が進んでいるとは言い難い状況です。
業務にロスが生まれやすい環境では、複数の仕事の合間に手持ち時間が増える・長くなります。

時間のロスがある中で仕事を終わらせるには、残業でその隙間を埋めなくてはなりません。
結果、残業が続く状態が作り出されます。

2-3. 付き合い残業の風土がある

このほか、日本ならではの問題として「付き合い残業」があります。
「付き合い残業」とは、上司や同僚の多くが残業していると、仕事が終わっても帰りづらいため、自分も残って作業してしまうことです。

付き合い残業は、周りの空気を読んで行動する日本ならではの行動であり、ムダな残業が発生する原因です。
このような問題は明らかな原因があるわけではなく、「なんとなく」広まるものでもあります。

その分、対策は企業や組織だけでなく、従業員も意識して行わなくてはなりません。
付き合い残業は、日本ならではのやっかいな要因であるといえます。

海外での残業削減に関する取組

今でこそ海外では残業時間の少ない国が増えていますが、昔は日本のように、
残業時間に関する問題を抱えている国はたくさんありました。

ここでは、そのような国の中で残業時間削減に取り組み、成功した事例をご紹介します。

3-1. フレックス勤務の積極的導入【ノルウェー】

ノルウェーは残業時間が少ない国のひとつです。

日本と同じくらいの国土面積がありますが、人口は約500万人と非常に少ないです。
しかし、労働生産性では上位に当たる国でもあります。
ノルウェーは人口が少ない分、サービス産業に人員を割けない問題がありました。

これを改善するために導入したのが、「フレックス制」です。
「フレックス制」は出勤・退勤時間を自由に決められる働き方です。

フレックス制では決められた時刻までに出勤しなくてはならない「コアタイム」がありますが、
ノルウェーではこのコアタイムを設定しない「フルフレックス制」を導入している企業も多数あります。

ノルウェーでは労働時間の自由度を高く保つことで、従業員の意思で労働時間を変更できる制度作りに力を入れています。
従業員が働きやすい環境を作り、労働力を確保しつつ、残業を減らしています。

一人ひとりに沿った働き方ができる体制づくりで残業を減らした好例です。

3-2. 場所や時間に関する柔軟な取組【ベルギー】

ベルギーでは交通渋滞による長時間勤務や、労働機会の男女差など、複数の問題を抱えていました。
これを改善するために、テレワークの推進をはじめとした対策が行われています。

【ベルギーで行われた対策】
・自宅に近いワークスペースの提供
・月2回の半休取得
・公共機関の一部で週4日勤務を実験的に導入

これら複数の対策を行うことで、通勤や勤務の時間ロスを実現しました。
法整備により、ベルギーでのテレワークは労働契約に具体的に記載され、給与や成果・労働環境に関してはオフィスで働く場合と同じ条件が適用されています。

ベルギーは、労働時間の柔軟性や休暇制度の強化を行うことで、多くの人が働ける環境を目指している国です。

まとめ


日本の残業時間は、世界的に見れば真ん中くらいのものですが、その要因をみると改善すべき点がたくさんあります。

この問題は、海外へ目を向けると改善の糸口が見えてきます。 そのひとつが、業務効率化です。
業務の一部をシステムや制度を見直し・新たに導入すれば、人手不足や業務効率の低さによる残業を減らせます。

残業時間による問題を抱えている場合は、ぜひ新しいシステムの導入をご検討ください。
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