営業とマーケティングの違いとは?連携するメリット・ポイントも解説

営業支援
営業もマーケティングも顧客を相手にし、売上アップに貢献する活動であるという点は共通していますが、両者には具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
 
どちらも一般的によく知られた職業ですが、その違いについて明確に答えられる人はそう多くないかもしれません。また営業職はイメージできるけれど、マーケティング職についてはうまく説明できない、という人もいるかも知れません。
 
そこで、本記事では営業とマーケティングの違いに焦点を当て、両者の主な違いや連携するメリット、連携のポイントについて解説します。
 
ビジネスの機会損失を減らし、成果を最大化させたいビジネスマンや経営者の方は参考にしてください。

この記事の目次

営業とマーケティング違いとは

営業とマーケティングの違い
まずは営業とマーケティングの主な違いについて理解しましょう。以下の5つに分けて詳しく解説します。
 
  1. 仕事の目的
  2. アプローチ対象
  3. 顧客と関わる期間
  4. 必要なスキル
  5. 責任の範囲
これらを理解すれば、営業とマーケティングの棲み分けが明確になり、それぞれの部門の強みを最大限に活かすための基礎を築くことができるでしょう。

① 仕事の目的

営業の主要な目的は、具体的な商品やサービスを顧客に直接販売し、売上を確保することです。これは、顧客との直接的な接触により彼らのニーズを深く理解し、最適な解決策を提供することで達成されます。
 
それに対してマーケティングの目的は、商品やサービスに対する市場の需要についてリサーチし、市場全体に影響を与えることです。これは、市場調査や競合分析、製品開発、プロモーション戦略の策定といった活動を通じて実現されます。
 

② アプローチ対象

営業は個々の顧客に直接的に接触し、商品やサービスを提案します。一方、マーケティングはより広い視野を持ち、特定の市場や顧客全体の傾向を分析します。
 
広告やキャンペーンを通じて広範なニーズに対応し、認知度の拡大を目指すのがマーケティングの仕事です。
 
つまり、営業は個々の顧客との深い関係を築くのに対し、マーケティングは市場全体の動向を重視するという違いがあります。

③ 顧客と関わる期間

営業は、個々の商談や契約の締結など、直接的で短期的な成果を目指します。営業目標は通常、1年あるいは四半期・半年単位などの期間を区切って設定されることがほとんどで、顧客との関わりは一時的なものが多くなるでしょう。
 
一方、マーケティングは戦略的な視点で、より長期的な目標を掲げます。マーケティングの業績はブランドイメージの強化や市場シェアの拡大、リピーター顧客の増加といった持続的な努力を必要とするものといえます。
 
このように、営業とマーケティングではそれぞれ違った視点で成果を追求するため、顧客と関わる期間はおのずと異なるものとなるのです。

④ 必要なスキル

営業には、高度な対人スキルが求められます。また、顧客の問題を解決するために、そのニーズを正確に理解し、適切に対応する能力も必要とされます。交渉力も欠かせません。
 
これに対して、マーケティングには市場を理解する分析力や戦略的な視野、新たなアイデアを生み出すクリエイティブな思考力が必要です。さらに、データの解析を通じて戦略を立てたり、コミュニケーション力を駆使してブランドメッセージを伝えたりする能力も求められます。

⑤ 責任の範囲

営業の責任範囲は、顧客との直接的な接点に関係します。顧客との強固な関係を築き、製品やサービスを詳しく紹介し、取引を成功に導くことが主な職務です。
 
これに対して、マーケティングは、より広範で戦略的な視点からの責任を負います。市場全体のニーズ理解や製品開発の方向性の決定、プロモーションの戦略作成、ブランドイメージの強化などがマーケティングの職務です。

営業の仕事内容

営業の仕事内容
営業は、企業の商品やサービスを顧客に直接販売する役割を担います。営業の仕事内容は多岐にわたりますが、自社の商品やサービスについて深く理解することが出発点となります。
 
顧客ニーズを把握し、それに対応した提案を行うスキルを習得するには、顧客との面談や電話など直接的なコミュニケーションを行うことが必須です。説得力を持って商品やサービスをプレゼンテーションし、顧客が購入する決断を下すよう導くことが求められます。
 
また、成約に至った後のアフターフォローも営業の重要な役割のひとつです。顧客の満足度を高め、リピート購入や口コミにつなげることが、長期的なビジネスの成功に繋がります。
 
さらに、営業は競合他社の動向にも目を光らせることが重要です。市場の変動や競争状況を把握し、それに対応した営業戦略を立てることで、自社の売り上げを最大化することを目指します。

マーケティングの仕事内容

マーケティングの仕事内容
マーケティングは、製品やサービスの価値を最大化し、顧客からの需要を引き出す役割を担います。これには、市場調査や戦略立案、製品開発、プロモーションなど、さまざまな要素が含まれています。
 
市場調査は、マーケティングの基礎となる活動であり、消費者の行動や競合他社の動向、市場のトレンドなどを把握することが必要です。また、商品やサービスのブランディングやプロモーション戦略も重要な業務となります。具体的には広告やPR、ソーシャルメディア戦略など、さまざまな手法が展開されます。
 
以上のような活動が効果的に行われているかを評価するためには、データ分析も欠かせない業務となります。売り上げやWebサイトのアクセス数、顧客の行動パターンなどを分析し、マーケティング活動の成果を測定するスキルが求められます。
 
以上のように、マーケティングは広範で戦略的な活動を行い、顧客のニーズに基づいた製品開発やブランドイメージの形成、それらを顧客に伝える役割を担っているのです。
 

営業とマーケティングは対立しやすい?

営業とマーケティングは対立しやすい
営業とマーケティングは、ときに対立することがあります。これは営業部とマーケティング部における目標と手法の違いによるものです。
 
まず、目標について。営業部は直接的な売上成果を求められます。具体的な顧客とのコンタクトを通じて直接売上を上げることが目的であり、短期間で結果を出すことが求められます。それに対してマーケティング部が目指すのは、市場全体のニーズを理解し、ブランド認知度を高め、長期的な市場を開拓することです。営業部とマーケティング部には、このような目的の違いがあります。
 
次に手法について。営業部は個別の顧客ニーズに直接対応する必要から、すぐに顧客反応を得られる商品やサービスを求めます。一方、マーケティング部は市場全体の動向を見て広範な戦略を立てるため、短期的な結果よりも中長期的な市場変化を重視します。
 
このような目標と手法の違いから、営業部は「マーケティングが具体的なニーズに対応した商品を提供していない」と感じ、マーケティング部は「営業が長期的な戦略を理解していない」といった不満を持つことにより、対立を招くこととなるのです。

営業とマーケティングが連携するメリット

営業とマーケティングが連携するメリット
営業部とマーケティング部が力を合わせることで、どれほどの効果が期待できるでしょうか。ここでは、営業部とマーケティング部が連携することで得られる3つのメリットについて解説します。
 
それは「顧客理解が進む」「効果的なリード獲得ができる」「機会損失を減らせる」という、ビジネスの成果に直結する重要なポイントに関係します。
 
それぞれの部門が持つ強みを最大限に活かし、全体として組織パフォーマンスを高めるための知見について理解を深めましょう。
 

顧客理解が進む

営業部とマーケティング部が連携することで、顧客の理解が深まります。営業部は顧客との直接的な接触を通じてニーズや関心、問題点を把握します。一方、マーケティング部は市場全体の動向や顧客セグメントの特性を理解します。
 
これらを組み合わせることで、顧客の理解が具体的で広範になり、より適切な商品開発やマーケティング戦略が可能となるでしょう。
 

効果的なリード獲得ができる

営業部とマーケティング部が連携することで、リード獲得の効果が高まります。マーケティング部は広範な活動を通じてリードを生成しますが、その質やニーズについては必ずしも詳しくない場合があります。
 
それに対して、営業部はピンポイントでリードの質を高め、成約に繋げるのが得意です。この組み合わせにより、質の高いリードを効率的に獲得し、営業の成果を高めることが可能となります。
 

機会損失を減らせる

営業部とマーケティング部の連携は、機会損失を減らすためにも重要です。例えば、マーケティング部が行うキャンペーンの効果が期待ほどでなかった場合でも、営業部が直接顧客と接触することで、何が問題だったのか、どのように改善すべきなのかを具体的に理解することが可能となります。
 
また、営業部のフィードバックをマーケティング部が素早く取り入れることでより効果的な戦略を策定することによっても、機会損失を減らすことができるでしょう。
 

営業とマーケティングを連携させるポイント

営業とマーケティングを連携させるポイント
営業とマーケティングの連携で得られるメリットを理解できたら、今度は実際に両者を連携させるフェーズです。連携のポイントとして、それぞれの部門の役割分担や部門横断的な目標の設定、システム導入などによる情報の一元管理が挙げられます。
 
これらのポイントを押さえ、部門間の壁を越えた共創を促進することで、ビジネスの競争力をさらに高めていきましょう。

役割分担を明確にする

営業とマーケティングが連携するための最初のステップは、役割分担を明確にすることです。営業部は具体的な顧客ニーズへの対応と直接的な売上を目指し、マーケティング部は広範な市場動向の把握と長期的な市場開拓を目指すという、それぞれの特性を理解することが重要です。
 
また、両部門が連携して行うべき業務(例えば、リード獲得や顧客理解の深化)についても明確にし、協力体制を整えます。
 

部門を超えた目標を定める

営業部とマーケティング部が真に連携するためには、部門を超えた共通の目標を設定することが重要です。それぞれの部門だけでなく、全社としての目標に向けて、どのように協力していくかを明確にすることで、お互いの役割と責任を理解しやすくなります。
 
また、共通の目標に向けて努力することで、それぞれの部門が対立することなく協力して仕事を進めることが可能となります。

顧客情報を一元管理する

営業部とマーケティング部が連携するためには、顧客情報の一元管理が必須です。CRM(顧客関係管理)システムを活用することで両部門が必要な情報を迅速に共有し、顧客に対する理解を深められます。
 
また、一元管理された情報を基に、営業活動やマーケティング活動の効果を定量的に評価し、改善策を検討することも容易になるでしょう。これにより、営業部とマーケティング部が一体となって顧客対応を行うことが可能となります。

まとめ

営業とマーケティングは、それぞれが持つ役割を理解し、連携することで企業の成功に寄与することができます。本記事では、2つの部門の間の主な違いについて「仕事の目的」「アプローチ対象」「顧客と関わる期間」「必要なスキル」「責任の範囲」という視点から説明しました。
 
また、それぞれの部門の具体的な仕事内容を掘り下げ、対立する要素とその克服方法についても解説しました。
 
これら知識を活用して営業とマーケティングの結束力を強化し、企業全体としての競争力を高めるための一助としていただければ幸いです。営業支援ツール「ネクストSFA」で、営業情報を一元管理しませんか。

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