VWS blog-働き方を考えるブログ

出張時の移動時間は労働時間にあたる?知っておきたい勤怠管理のポイント

作成者: vws_ad0523|Jan 27, 2025 12:00:00 AM

「出張先への移動時間は労働時間になりますか?」

 

出張時の移動時間の扱いは、意外と判断が難しい場面が多いものです。新幹線での移動時間、出張前の会社立ち寄り、移動中の資料作成指示...。一見シンプルな問題のようでも、状況によって労働時間として認められるかどうかが変わってきます。

 

本記事では、出張時の移動時間に関する基本的なルールから、労働時間として認められるケース、適切な管理方法まで、事例を交えて分かりやすく解説します。

 

人事実務に携わる方々の疑問を解消し、トラブルを未然に防ぐためのポイントを見ていきましょう。

 

この記事の目次
[toc]

出張時の移動時間は労働時間にあたる?

出張時の移動時間は、基本的には労働時間に含まれません。労働基準法によると、労働時間とは「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」と定義されているためです。通常の移動時間は、労働者が業務から解放され、自らの判断で過ごすことができる時間と見なされます。

 

例えば、新幹線や飛行機での移動中に特定の業務を行っていないのであれば、その時間は労働時間に含まれません。しかし、移動中に業務指示を受けて資料作成や打ち合わせを行うなど、具体的な業務に従事している場合は、その時間が労働時間と認められることがあります。

 

重要なのは、移動時間中に労働者がどの程度業務に従事しているか、または使用者の指揮命令下にあるかどうかです。

そもそも労働時間とは

前述の通り、労働基準法における労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下にある時間のことです。就業規則や雇用契約書の内容にかかわらず、客観的に判断して雇用主の指揮命令下にあると見なすことができれば労働時間となり、雇用主には賃金支払の義務が生じます。

 

この「指揮命令下」という概念は、実作業に限定されず、ある程度広く解釈されています。例えば、作業の準備や後片付けの時間、会社の指示で待機している時間、研修時間なども、使用者の指揮命令下にある時間であるため、労働時間のカウント対象です。

 

しかし、業務から解放され、自分の自由な判断で時間を過ごせる場合は、その時間は労働時間には含まれません。出張中の移動時間でも、特に指示された業務がなく、自分の好きなように過ごせるのであれば、労働時間とみなされないのが一般的です。

休日の出張は労働時間に含まれるか

基本的に、出張中の休日は労働時間とは見なされません。出張中の時間であっても、実際に業務に従事した時間のみが労働時間として認められます。単に出張先にいるというだけでは、労働時間と捉えられないのです。

 

例えば、日曜日に他県への出張で移動のみを行った場合、その移動時間は原則として労働時間にはなりません。これは平日の出張と同様の考え方です。

 

しかし、休日出張中に具体的な業務指示があった場合は、労働時間として扱われ、休日労働となります。移動中に上司から業務メールの対応を指示された時間や、出張先で打ち合わせを行った時間は、労働時間と判断されます。

出張中の時間外労働に残業代は出るのか

出張している際に時間外労働をしたときの残業代の扱いについては、「みなし残業」が適用される場合とそうでない場合に分けて解説します。

みなし労働が適用される場合

みなし労働時間制とは、労働時間の算定が難しい業務(外勤や出張など)において、あらかじめ定められた労働時間を労働したものと見なす制度です。この制度が適用されると、実際に働いた時間とは関係なく、所定労働時間を労働したと扱われます。

 

具体的には、出張中に6時間でその日の仕事を終えた場合、所定労働時間である8時間を働いたことになります。反対に、普段は6〜8時間で終えられるものの、その日だけ遅くなり仕事を終えるのに10時間かかったという場合にも、労働時間は所定の8時間と見なされることとなり、残業代は発生しません。

 

このように、みなし労働が適用される場合、残業代は発生しません。ただし、実際の労働時間が所定労働時間を大きく超えることが明らかなとき、その超過分については時間外労働として扱われます。

 

例えば、出張先での業務が10時間に及び、所定労働時間を超えて労働した際、それが通常必要とされる時間であると認められる場合には、2時間分の残業代が発生します。

みなし労働が適用されない場合

みなし労働時間制が適用されないケースでは、実際に労働した時間を正確に記録し、その時間に基づいて賃金を計算します。出張中に所定労働時間を超えて業務を行うと、その超過分は時間外労働となり、残業代の支払い対象となります。

 

例えば、出張先での会議や業務が予定よりも延長し、所定労働時間を超えて労働した際、その超過時間は残業として認め

られるのです。また、移動中に業務指示を受けて資料作成や報告書の作成などを行った場合も、その時間は労働時間に含まれます。

出張時の移動時間が労働時間に該当するケース

出張時の移動時間は基本的に労働時間に含まれませんが、特定の状況では例外的に労働時間と認められることがあります。以下、それぞれのケースについて具体的に説明します。

移動中に別段の指示があるとき

例えば、東京から大阪への新幹線移動中に、上司から「午後の商談に使用するプレゼン資料の最新の売上データを更新してほしい」と指示があったケースを考えてみましょう。

 

この場合、移動中とはいえ具体的な業務指示に基づいて資料作成を行うため、その作業時間は労働時間となります。また、「15時からの商談先から至急の問い合わせメールが来ているので、移動中に返信を作成してほしい」といった指示があった場合も、その対応時間は労働時間として扱われます。

 

このように、移動中であっても具体的な業務指示があり、その指示に基づいて業務を行う時間は、労働時間として認められるのです。

移動中に打ち合わせをするとき

移動中の打ち合わせについては、このような状況が考えられます。支店長と部下が名古屋から福岡への出張に行く際、新幹線の往路3時間を使って「来週の新商品発表会の段取り」「各担当者の役割分担」「プレゼンテーションの内容確認」といった具体的な業務の打ち合わせを行うケースです。

 

また、「取引先への提案内容の最終確認」「価格交渉の方針すり合わせ」といった商談前の準備を移動時間中に行うような場合も、明確な業務遂行として労働時間に該当します。

 

以上のように、移動時間中に実質的な業務打ち合わせが行われるときは、その時間は労働時間として扱われることになります。

出張時の労働時間で揉めないためには正確な勤怠管理が重要

出張時の移動時間は、原則として労働時間には含まれませんが、移動中の業務指示や打ち合わせなど、状況によっては労働時間として扱う場面もあります。このような労働時間の判断が曖昧になりやすい状況では、正確な時間管理を行わなければ、後々大きな問題に発展する可能性があります。

 

こうした問題の解決策のひとつが、外出先でも利用可能な勤怠管理システムです。スマートフォンを使用して業務開始・終了時刻を記録できれば、出張先での実際の業務時間を正確に把握することができます。また、移動中に業務指示があった場合にも、その場ですぐ記録でき、後から労働時間を適切に算定することが可能になるでしょう。

 

適切な勤怠管理システムの活用は、企業と従業員の双方にとって大きなメリットがあります。企業側は残業代の計算ミスを防ぎ、労働時間の解釈による従業員とのトラブルを回避できます。また、労働基準監督署の調査にも正確な記録で対応できるため、法令違反のリスクも軽減可能です。

 

一方、従業員にとっても、実際の労働時間が正確に記録され、適正な賃金が確実に支払われることで、安心して働ける環境が整います。このように、正確な勤怠管理は、企業の健全な運営と従業員の権利保護の両面で重要な役割を果たします。

まとめ

出張時の労働時間は状況によって判断が異なるため、正確な時間管理が極めて重要です。特に昨今のように、スマートフォンやPCで移動中でも業務ができる環境では、労働時間の線引きがより難しくなっています。

 

当社の「VWS勤怠」は、このような課題を解決する勤怠管理システムです。外出先でもスマートフォンから簡単に打刻できるため、出張時の正確な労働時間管理が可能です。また、業務内容や状況も記録できるため、後から労働時間の確認が必要になった際にも安心です。

 

導入企業からは「現場でスマホ打刻ができ、GPSによる打刻位置の確認が出来るようになった」「クラウド管理になったので紛失等の心配もなく」なったなどの声をいただいています。

 

正確な勤怠管理をお考えの企業様は、ぜひ一度WS勤怠をご検討ください。