働き方改革関連法に対する取り組みにおいて、さまざまな課題に直面している企業は少なくありません。
従来とは異なる制度や仕組みを志す以上は、課題に直面するのは当然のことであり、課題をいかに対処できるかが将来の明暗を分けるといってもよいでしょう。
この記事では、働き方改革への取り組みにおいて多くの企業が直面する課題を明らかにしたうえで、具体的にどのように解決すべきかを解説します。
働き方改革の課題は、大きく3種類に分類されます。
また、業務フローの見直しが適切におこなわれていない場合、以下の問題が生じます。
これらの状況に陥ると、競合他社との競争に負けたり、従業員に過度な負担をかけたりする結果につながります。
働き方改革の取り組みは、スタッフのモチベーション低下のリスクをはらんでいます。
具体的にモチベーション低下のポイントは以下のとおりです。
スタッフのモチベーションが大きく低下すると、どんなに経営陣がリーダーシップを発揮してもチームとして機能しなくなるでしょう。
働き方改革の社内での規則が形骸化していることもあります。
これらの状況は、厚生労働省が掲げる働き方改革実現による目標「生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作る」とはほど遠いものです。
とはいえ、多くの企業において共通して見られる課題・原因もあります。
この章では、特に多く見られる3つの原因をご紹介します。
業務の生産性を追求するあまり、必要以上にコミュニケーションが省略されてしまうことがあります。
むだなものと必要なものの切り分けが難しい面はありますが、特に意識しなくてはならないのは社員間で必要なときに気軽にコミュニケーションが取れる状況を用意しておくことです。
特に、リモートワークや時間差出勤などで社員同士が対面で話せる時間が限られる状況にある場合は、より強くコミュニケーションの環境を意識する必要があります。
従来の評価制度のまま働き方改革の取り組みを推進すると、頑張っても評価されなかったり、むしろ頑張れば頑張るほど給与が下がってしまったりするリスクがあります。
典型的な例は、残業代です。
働き方改革を前向きに取り組むためには、生産性向上や業務改善に対して積極的な姿勢を見せている社員を評価できる体制を整えなくてはなりません。
仕事の進め方が標準化されていない場合には、どうしても個人に依存する状態から抜け出せません。
また、社員が非効率なやり方で業務を進めていたとしても、すぐに問題に気づくことができず、対応が遅くなります。
チーム全体の業務が可視化され、標準化されている状態が理想的です。
仕事の内容・進め方・現在の状況をすべてのスタッフが確認できる状態であれば、常に業務を適切に配分できます。
また、業務上の問題が生じたときに、担当スタッフが残業や休日出勤をして対応しなくとも、チーム全員で対応できるケースが増えるでしょう。
業務の進め方やチームビルディングなどを見直さなくてはならないほどの重要な問題です。
根本から業務の進め方を変更するのは非常に大変なことですが、ここでモデルとなる課題への取り組み方をご紹介します。
以下の3ステップを意識していただくと、スムーズに対策を進めていただけるでしょう。
最初のステップは、全社的な業務の棚卸しです。
個人単位→部署単位→チーム単位といったように、最小単位から少しずつ範囲を広げて業務内容のすりあわせをするとよいでしょう。
業務の棚卸しをおこなう目的は、業務内容を可視化して最適なフローを作成するためです。
業務の棚卸しのあとは、生産性を意識しながら業務の進め方の改善を進めていきます。
このとき、必ず同時に実施しておかなくてはならないのが、制度の改定です。
社内でのコミュニケーション活性化や評価制度などのルールが整っていない状況で業務フローのみを変更すると、業務面や給与面などで整合性がとれない場面が生じるためです。
多様な働き方を許容しつつ、生産性を高めるためにはITツールの活用が不可欠です。
よく用いられるツールをご紹介します。
安全かつリアルタイムなコミュニケーションを取るのに適しています。
手軽にグループを組んで業務のやりとりや雑談ができるため、業務効率向上とコミュニケーションの活性化を両立できます。
テレワークに対応するためには、勤怠管理のツールの見直しが必要になることもあります。
クラウド型の勤怠管理ツールを導入した場合、スタッフプライベートのスマートフォン操作のみで出退勤の管理が可能です。
現在はさまざまな分野でITツールが開発されています。
チームの目的や状況に応じたツールをいかにうまく活用できるかによって、業務効率や生産性は大きく変化します。
また、ツール同士を連携させて、利便性を高めることも重要です。
重要なことは、課題をいかに明確にして効果的な対策が取れるか否かです。
ぜひ、この記事と照らし合わせながら、どのような課題に直面しているのかを明らかにしてください。
また、ITツール未導入・導入してはいるものの使いこなせていない企業様には、この記事を参考にしながら活用法をあらためて検討されることをオススメいたします。